上司と部下写真はイメージです Photo:PIXTA

部下に任せるより、自分でやったほうが早い――。多くのマネージャーが抱えるこの悩み。確かに短期的には効率的ですが、人事コンサルタントの安藤健さんは「典型的なハイリスク・ローリターン」の考え方だと指摘します。一流のリーダーが実践している、ローリスク・ハイリターンな「マネジメント術」を解説します。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)

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自分でやったほうが早い
に潜む重大リスク

 部下に任せるより、自分でやったほうが早い――。私は、これまで多くのマネージャーから、こんな悩みを聞いてきました。

 確かに、経験豊富なマネージャーが自分で作業をすれば、2時間で終わることが、部下に任せると10時間かかってしまう。しかも、その間に何度も質問に答え、最後には品質チェックまでしなければならない。そう考えると、「自分でやったほうが早い」と感じるのは、ごく自然な判断です。

 しかし、その判断が本当に正しいのかどうか、少し立ち止まって考えてみる必要があります。

 マネージャーは、チーム全体の成果に責任を負っています。自分がやれば確実にクオリティを担保できますし、何より早い。メンバーにやらせて、確認して、品質チェックするという手間を考えると、自分でやってしまったほうが効率的に見えます。

 しかし、人事の専門家として断言しますが、これは典型的な「ハイリスク・ローリターン」の考え方です。

 なぜなら、この判断は目先の生産性だけに最適化した発想だからです。一見効率的に見える「自分でやる」という選択は、実は大きなリスクを抱えています。