「え、たった800万円?」甲子園球場の値段に絶句…統合でバレた「380億円」の含み益
働きながら株で資産50億円を築いた“本当に儲かる3つの投資術”を初公開――余命宣告を受けた医師 兼 個人投資家の父が愛娘に捧げる著書『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)。4度の手術を経て、49歳で肺と肝臓へのがん転移が判明。主治医からは「50歳は迎えられても51歳はわからない」と宣告された著者が、働きながら50万円を50億円に増やした投資法を愛娘に向けて全力指南。再現性の高い3つの投資法をマスターすれば、忙しく働きながらも「一生困らないお金」を稼げるようになる。「人生の集大成として、出し惜しみ無しで、魂を込めて書きました」(著者より)。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
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聖地・甲子園の帳簿価格は「高級車並み」?
阪神タイガースのホームグラウンドとして有名な「阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)」。この親会社・阪神電気鉄道が2006年、阪急電鉄と経営統合して「阪神阪急ホールディングス(9042)」になったけれど、それまでは帳簿上に長らく所有する土地の取得価額が「800万円」として記載されていた。
統合で露わになった「桁違い」の真実
経営統合を機に2006年時点の価額に直され、「381億8100万円」になった。同じ土地なのに、有価証券報告書上は380億円以上もの開きがあったわけだ。
「なんでそんなことになってるの?」と不思議に思うかもしれないけれど、ルール上はそれでいいことになっている。そうとしかいえない。
【解説】「買った時の値段」がルール?
取得原価主義の正体
この「800万円」という驚きの数字、実は経理のミスなどではありません。これは日本の会計基準における「取得原価主義」という大原則によるものです。
企業が土地などの資産を購入した際、原則として「買った時の価格(取得原価)」で帳簿に記載し、売却や評価損の計上がない限り、その数字を据え置くというルールがあります。甲子園球場が完成したのは大正時代の1924年。つまり、当時の貨幣価値のまま、80年以上もの間、帳簿上の数字が時間が止まったかのように引き継がれてきたのです。
M&Aが暴いた「隠れ資産」の衝撃
では、なぜ統合のタイミングで価格が跳ね上がったのでしょうか? それは、企業の合併・買収(M&A)を行う際には、資産を「その時点の時価」で評価し直して合算するというルール(パーチェス法)が適用されたからです。
これにより、長年眠っていた「含み益(帳簿価格と時価の差額)」が一気に表面化しました。逆に言えば、こうした特別なイベントがない限り、歴史ある企業の貸借対照表(B/S)には、現在の価値とはかけ離れた「安すぎる数字」が載り続けている可能性があるのです。
財務諸表の裏に眠る「お宝株」を探せ
ここに、個人投資家としての大きなチャンスが隠されています。
株式投資の割安度を測る指標にPBR(株価純資産倍率)がありますが、これはあくまで「帳簿上の純資産」を元に計算されたものです。もし、その企業が甲子園球場のような「莫大な含み益を持つ土地」を保有していたらどうでしょうか?
見かけ上のPBRが1倍でも、実質的な資産価値を加味すれば、本当のPBRは0.5倍(実は半額で売られている状態)かもしれません。このように、帳簿には表れない「実質的な資産価値」を見抜くことができれば、下値不安が少なく、将来的な再編や売却益が期待できる「お宝株」に出会える確率がぐっと高まります。
数字をそのまま受け取るのではなく、「この土地はいつ取得されたものか?」「今の価値ならいくらか?」と想像力を働かせること。それこそが、会計の不思議を利益に変える、賢明な投資家の視点なのです。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。










