英語を勉強している。文法書も単語帳も、一通りやった。TOEICの点数もそれなりに高い。それなのにいざ英語で話そうとすると、言葉が出てこない。そんなモヤモヤを抱えている人に、ぜひ知ってほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』です。「イラストを見る→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さず瞬時に答える「英語の反射神経」を鍛えていきます。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に「英語を話せるようになるための学習のポイント」を教えてもらった。

「TOEICは高得点」なのに英語が話せない人が続出する理由Photo: Adobe Stock

「TOEICのスコアは高いのに、英語を話せない」――それは珍しいことではありません

 学生からよくこんな質問を受けます。

「TOEICで高得点を取れるようになりました。でも、いざ英語を話そうとすると、言いたいことを、まったく言葉にできません。どうすれば話せるようになりますか?」

 これは、実はTOEICのスコアが高い人ほど陥りやすい悩みです。

 理由はシンプルです。英語の「知識」と、英語を「使う力」は、まったく別物だからです。

 テストのスコアは、「どれだけ英語を知っているか」です。「その知識をどれだけ使いこなせるか」までは測っていません。

 たとえば、テニスの上達を目指している人が、ラケットの使い方やフットワークに関する動画をたくさん見ても、コートでラケットを振らなければボールを打てるようにはなりません。

 TOEICのスコアアップのために勉強している人もまったく同じ状況です。文法や単語を知ることは大切ですが、それだけでは「話せる」ようにはならないのです。

 英語の知識は、あくまでスキルの土台です。本当に必要なのは、その知識を使って「どう言えば伝わるのか」を試行錯誤する経験です。

英語を「使う時間」を増やす

 TOEICの点数はさほど高くないのに、英会話ができる人もいます。そして、そうした人たちには明確な共通点があります。

 それは、英語を「勉強する時間」よりも、「使う時間」の方が圧倒的に多いことです。

 英語が話せる人は、完璧な英語を目指しません。文法や発音が多少間違っていても、まずは伝えようとします。間違いは「失敗」ではなく、「次はこう言えばいい」という材料として蓄積していきます。

 また、難しい単語を無理に使おうとせず、中学英語レベルのシンプルな表現を組み合わせて伝えます。こうした力は、テスト対策では身につきません。実際に英語を使い続けることで、少しずつ育っていくものなのです。

英語に自信を持てないのは、アウトプット不足が原因

 彼らのもう一つの共通点は、英語を話すことへの自信がある点です。

 スコアが高い人でも、いざ話すとなると自信を持てないという人は、少なくありません。

 会話の自信をつけるには、点数を上げることよりも、英語を使う回数を増やすことが大切です。

 英語は、知識として増やすだけではスキルになりません。使って、失敗して、修正して――その繰り返しではじめて「話す力」になります。

 間違いを恐れずに話し続けることで、少しずつ話す自信がついていきます。