頼まれると断れない。相手の事情を思いやるほど、自分の負担が増えていく――そんな人間関係に心当たりはないだろうか。「助けたい」という善意が、いつの間にか都合よく利用されてしまうことも少なくない。日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)の続編『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した本記事では、ライターの有山千春氏に、善意につけこむ人と距離を取るための考え方についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)
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「困っている」で
相手の善意を利用する人
毎年冬から春にかけ、小学生の親を悩ませがちなPTA役員の選出。
埼玉県に住む友人は「去年、埼玉PTA連合会が日本PTA全国協議会から退会したおかげで、うちの学校はPTAがなくなった」と、さまざまなめんどうくささから解放された喜びをあらわにした。だが、東京在住の友人はため息をつく。
「この前、PTA会長から電話がかかってきたんだ。『役員に立候補した人が少なくて本当に困っている。やってくれないか』って」
やりたくないのならシンプルに「NO」と言えばいいと思うが、「会長とは仲が良いし、本当はこんな電話したくないだろうに、相当焦っているがゆえの行動ではないか」と慮る。すると埼玉の友人が「それだよ!」と語気を強めるのだ。
「あなたがそういう性格なのを知っていて、『押せばやってくれるのではないか』と足元を見られているに違いない。絶対にすぐに断ったほうがいい」
たしかに昔から東京の友人は、いわゆる「頼まれると断れないタイプ」だった。一方で本人はつけこまれているという意識はなく、あくまで「いつも最終的には自分で『やる』と判断しているのだから、つけこまれているわけではない」という。
だがPTA役員については、ため息をつく時点で乗り気ではないのは明らか。こうした話をした数日後にも、東京の友人のもとには会長から電話があった。
「会長だって、仕事が忙しいのにがんばっている。助けてあげたほうがいいのかもしれない」と“やる”に傾く心模様を教えてくれたのだった。
日本と韓国で累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』には、こんなトピックがある。
[さっさと縁を切るべき人5タイプ]
その筆頭には、こう書かれている。
相手が情にもろくて事情を汲んでくれたり、無理な頼みも聞いてくれる人だと判断すると、感謝するどころか「いいカモ発見」とばかりにちゃっかり利用するタイプの人間。付き合い続けると寄生虫みたいにこちらの人生を蝕みかねない。
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』より
埼玉の友人によると、東京の友人はまさにいま、「縁を切るべき人」のカモにならんとしているといえるかもしれない。たしかにPTA役員とは本来、やってくれそうな人を見繕って選出するものではない。会長の真意はわからないが、会長は「困っている」と言いながら「困りごと」を拡散しているだけではないか。
「PTA役員として、やりたいことがあるならやればいいと思う。『助けたいから』という動機は、会長がこの先困ったら、またいろいろなことを押し付けられてしまうよ」
埼玉の友人は説得するようにそう話していたが、東京の友人はどんな選択をするのだろうか。
(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)
メーカー広報、出版社編集者を経て2012年よりフリーライターに。主に週刊誌やWEBメディアで取材記事やインタビュー記事を執筆。昨年より高田馬場の老舗バーにてお手伝い中。



