雪印メグミルクが製造・販売する「さけるチーズ」 Photo by Manabu Fushimi
雪印メグミルクが製造・販売する「さけるチーズ」は今年で発売から46年を迎えるロングセラー商品だ。ヒット商品を“延命”させる上でバリエーションを増やすのは鉄則だが、さけるチーズには新商品開発が難しい事情があった。そうした中、40年以上の月日を経て過去最高の売上高を達成できた要因とは何だったのか。前編に続き、ロングセラーの裏側に迫る。(フリーライター 伏見 学)
ヒット商品「さけるチーズ」
味のバリエーションが少ない事情
ナチュラルチーズの性質上、新商品開発においては「風味の安定性」が大きな課題として立ちはだかる。時間や手間がかかる上に、出せば必ず売れるという保証もない。実際、苦い経験もある。
「他のチーズ商品ではもっといろいろな味がありますが、さけるチーズに関しては累計で10種類もない。作ろうと思っても作り切れない、新しい味を提供できていないのが正直なところです」(雪印メグミルク乳食品事業部チーズグループ勝山大地氏)
現在販売中のフレーバー Photo by M. F.
例えば、2018年に発売したベーコン味は2023年に終売となった。コロナ禍での内食需要の高まりに加えて、SNSでさけるチーズの人気が爆発し、生産を一時的に調整しなければならなくなった際、最初に終売対象になったのがこのベーコン味だった。売り上げ規模が小さい上に、発売年も一番新しかったため、顧客への認知が十分に進んでいなかったというのが理由だ。
「定着し切れないまま、日の目を浴びぬまま終売せざるを得なくなってしまったのは残念でした」と勝山氏は振り返る。新しいフレーバーを市場に定着させるには、相当な時間と投資が必要なのである。







