日清食品を代表するロングセラーの「チキンラーメン」日清食品を代表するロングセラーの「チキンラーメン」 写真提供:日清食品

1958年に発売された日清食品の「チキンラーメン」。60年以上前に誕生した世界初のインスタントラーメンは、今も多くの人に愛されている。驚くことに、チキンラーメンの味は発売当初から「ほぼ変わっていない」という。その理由とは何か。ロングセラーの人気の秘密に迫る。(フリーライター 伏見 学)

発売から60年以上
チキンラーメンが売れ続けるワケ

「すぐおいしい、すごくおいしい」のキャッチコピーがあまりにも有名な日清食品の「チキンラーメン」。1958年8月に発売されたこの商品は、世界初のインスタントラーメン(即席麺)として知られている。

 それから67年の月日が経ち、即席麺は今では当たり前のように日常食として定着している。日本即席食品工業協会の調べによると、2024年度における即席麺の国内需要は前年比4.1%増の59億8347万食。市場規模(小売金額)は前年比6.7%増の7967億円と過去最高を更新した。

 その原点となったチキンラーメンは、日清食品の創業者・安藤百福氏が試行錯誤の末に発明した商品だ。スープの素なども不要、油揚げ麺にただお湯を注ぐだけでラーメンが食べられるという手軽さと、長期保存できる便利さが高評価を得て、一気に認知が広まった。

 2004年には累計販売数45億食を突破。この年の売り上げは約580万ケース(1ケース30食入り)だったが、その後も「当時とほぼ同じ売り上げ規模を維持している」と日清食品マーケティング部第3グループの清水文恵ブランドマネージャーは語る。