「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。
「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」など多くの口コミが寄せられている。
本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。同書の刊行に寄せて、ライターの樺山美夏さんに寄稿いただいた。(ダイヤモンド社書籍編集局)
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脱ぎっぱなしの服に、あえて「教育的ボイコット」
「あーあ、また落ちてる……」
仕事から帰って、玄関のドアを開けた私の目に飛び込んでくるのは、廊下に転々と落ちている小学校低学年の息子の靴下。さらにリビングへ進むと、脱ぎ捨てられたズボンが、まるで巨大な眼鏡のような形のまま床に鎮座している。
疲れた体でそれらを拾い集めるたび、深いため息をついていた日が今となっては懐かしい。あの頃は、「汚れた服は洗濯カゴに入れて!」と何度言っても、返ってくるのは「はいはい」という生返事。
一向に改善しない息子の態度にしびれを切らした私は、ある日、「教育的ボイコット」を決行した。恋愛相談でよく聞く「押してダメなら引いてみろ」の精神で、散らばった臭い靴下も、眼鏡型のズボンも、そのまま放置して知らんぷりを決め込んだのだ。洗濯物も畳まずに、子ども部屋のベッドに放り投げた。
すると、驚くべき変化が訪れた。
翌日、学校から帰ってきた息子は、自分が脱ぎ捨てた靴下を拾い上げ、履いていた靴下も脱いだらそのまま洗濯機へと放り込んだのである。ベッドの上の洗濯物も、私が怒っていると思ったのか、自分で畳んでクローゼットの引き出しにしまいこんだ。
(しめしめ、放置プレイは想像以上に効果あったわ……!)
私はリビングで仕事するフリをしながら、彼の行動を横目で追ってほくそ笑んだ。育児も恋愛も「お世話しすぎない」ことが、相手の自立心をくすぐる特効薬になるのだ。
「服の片付け方」を知ろう
しかし、小学校に上がる前のまだ素直だった頃、服の片づけ方を息子に教えておけば、こんな面倒な心理戦をしなくて済んだかもしれないとも思った。小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを学べる本『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「ふくをきれいにかたづけよう」の項目もある。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用拡大画像表示
・あらった あとの ふくは たんすに しまおう。
・くつしたは くつしたいれ したぎは したぎいれに いれよう。
・うわぎは ハンガーに かけて しまおう。
(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』p.23)
どれも子どもが自分でチャレンジしやすい生活習慣の基本だ。
特に参考になるのは「おうちの方へ」のアドバイス。たとえ服の畳み方がぎこちなくても、最後までやり遂げたら「自分は価値ある人間だと思えるようになる」という言葉に深く頷いた。お洋服を自分で片付けられたら「すごいね!」と褒めてあげると、自己効能感が育つことも実感している。私の息子も、片づけをするたびに褒めまくって育てたら、今では私に負けないほど片づけ上手になったからだ。ぜひみなさんにも試してみてほしい。









