株式投資で資産を増やし続ける人たちは、「株の売買タイミング」をどう見極めているのでしょうか?「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」―そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。著者は、2000億円超を運用した元ファンドマネジャー、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

株のプロ直伝「株の正しい売り時」チャートで見極める1つの方法Photo: Adobe Stock

ローソク足で相場の強弱を読み解く

 株式投資で悩ましいのが、「いつ売るか」という問題です。

「まだ持つべきか」「そろそろ売るべきか」と迷っているうちに、株価が反転してしまった経験はないでしょうか。上がっても下がっても、売り時はいつも難しい――そんな感覚を持つ個人投資家は少なくありません。

 では、長年相場と向き合ってきた株のプロは、何を判断材料にしているのでしょうか。

 ローソク足には、「相場の強弱」に関する情報が凝縮されています。

 たとえば、次の2つの週足チャートを見てください。

 もしあなたが今、両社の株を持っていて、急に資金が必要になり、どちらか一方を売らなければならないとしたら、どちらを売るでしょうか。

株のプロ直伝「株の正しい売り時」チャートで見極める1つの方法

長い上ヒゲの陰線は「買いの勢いが息切れ」

 A社の直近の週足は、「長い上ヒゲをつけた陰線」です。

 これは、「上昇してきた株価が、下げに転換する可能性を示唆する形」だと窪田さんは言います。

 それは一体なぜでしょうか。この1本のローソク足の裏側で、どんな攻防があったのか考えてみましょう。

 まず主導権を握ったのは買い手です。4週連続で上昇してきた株価を見て、「ここからさらに伸びる」「今のうちに仕込もう」と考え、買いが一気に膨らみました。その結果、株価は一時1,500円に到達します。

 しかし、そこで買い手は予定していた株数をほぼ買い切ってしまったのでしょう。あるいは、何らかの悪材料が意識された可能性もあります。

 ここで、相場の形勢は逆転し、売りの勢いが強まります。

 売り手が売りを増やすなかで、それを受け止める買いがなく、株価は一気に下落。高値で大量に買いつけた投資家は含み損を抱えており、今後、損切りの売りが増える可能性があります。

長い下ヒゲの陽線は「売りが出尽くした可能性」

 一方、B社はまったく逆の動きです。

 じりじりと下がってきた株価を見て、B社株を多く保有する投資家が不安になり、投げ売りに近い売りを出したと考えられます。株価は一時500円まで急落しました。

 ところが、その水準で売りはほぼ出尽くしたようです。

「ここは安い」と判断した投資家の買いが入り始めると、株価は一気に反発。その結果として現れたのが、長い下ヒゲをつけた陽線です。

売買高の急増にも着目したい

 両社の週足も、直近で売買高が大きく増えています。売買高が急に増えるということは、誰かが急いで売買しているということです。

 もし今どちらかの株を売る必要があるなら、売りの勢いが強いA社株を売るべきと窪田さんは断言します。