株式投資で資産を増やし続ける人たちは、「株の売買タイミング」をどう見極めているのでしょうか?「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」―そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。著者は、2000億円超を運用した元ファンドマネジャー、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

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ローソク足で「相場の強弱」を感じ取る

 ローソク足には、「相場の強弱」に関する情報が凝縮されています。

 たとえば、次の2つのチャートを見てください。いずれも終値は3日間連続で1,000円ですが、ここから読み取れる情報は全く異なります。

株で勝てる人だけが知っている「上昇する株を見抜く1つの視点」

同じ終値でも、見え方はまったく違う

 G社のチャートでは、寄り付き後に一度株価が下がるものの、最終的には買いの勢いが強く、3日連続で1,000円で引けています。

「1,000円以下で買いたい」大口の機関投資家が、コツコツと買い集めているように見えるチャートだと、窪田さんは言います。

 より具体的には、3日連続で「1,000円以下の計らい」で買い注文が出されているような形だというのです。計らい注文とは、機関投資家がよく使う注文方法の一つです。証券会社に依頼し、あらかじめ決めた価格帯の中で、一定数の株を買う(あるいは売る)注文方法です。

 機関投資家が小型株を大量に買い集める際は、その意図を市場に悟られないよう、少しずつ買うのが一般的です。3日間連続で1,000円で高値引けしている点には、そうした大口投資家の気配があります。

 一方、F社のチャートは対照的です。

 大口の機関投資家が少しずつ売っているように見えます。売りたい株がまだ多く残っていることを悟られないよう、「1,000円以上の計らい」で売っている――そんな印象を受ける動きだと、窪田さんは指摘します。

 つまり、F社とG社を比べた時に、G社の方が買い手の勢いが強そうなチャートになっているのです。

ローソク足だけで売買判断を下すのはリスクが大きい

 ただし、ここで注意が必要です。

 ローソク足は、需給の強弱を感じ取るには役立つものの、それだけで明確な売買のシグナルになるわけではない。窪田さんは、本書の中でこのように強調しています。

『株トレ』では、売買高、移動平均線、トレンドライン、ボリンジャーバンドといった、その他のチャートの指標の使い方を紹介しています。こうした指標と併用することで、より根拠のある売買判断が可能になるのです。

 ローソク足は、あくまで「相場の空気を読むための入り口」。他の指標と組み合わせて使うことで、はじめて真価を発揮すると言えるでしょう。