一度きりの人生で「お金」をどう使えばいいか?  人生に大きな影響を及ぼす「お金の使い方」について、大きなヒントを与えてくれる『アート・オブ・スペンディングマネー』という一冊の本が話題となっている。この本が教えてくれるのは「どう稼ぐか」ではない。お金を使って、人生の満足度を高めるための視点である。今回は、その内容の一部を紹介していく。(構成:ダイヤモンド社書籍編集局)

「お金の使い方が上手い人」が“節約”より重視するたった1つのことPhoto: Adobe Stock

「節約」<「本当に必要なものにお金を使う」

「お金の使い方が上手い人」と聞くと、多くの人はまず“節約上手”を思い浮かべるかもしれない。無駄遣いをせず、固定費を削り、貯蓄を上手に増やす――確かにそれらは、生活を安定させるうえで有効な技術だ。

だが、本当に人生の満足度を左右するのは、節約よりももっと根本的な視点にある。世界的なベストセラー『アート・オブ・スペンディングマネー』では、こんなことわざを紹介している。

「欲しいものは手に入るのに、必要なものが手に入らないことほど最悪な事態はない」という古いことわざがある。
運よく欲しいもの(お金)を手に入れたとしても、それは本当に必要なもの(家族や友人との絆、健康、生きがいなど)ではないかもしれない。

私たちは、「欲しいもの=お金」を求めて働き、節約をする。しかし、そうやってお金を手に入れる過程で、「本当に求めているもの(家族や友人との絆、健康、生きがいなど)」を失っているということも少なくない。

たとえば、

・健康を守るために睡眠環境に投資する
・家族や友人との旅行や食事にお金を使う
・ずっとやりたかったことにお金をかける

こうした支出は、「節約」を一番に考えると削られるポイントにもなり得る。しかし、これらを軽視してまで節約に走ると、お金は増えても、人生の幸福度は逆に下がる可能性もあるのだ。

だからといって“贅沢”すればいいわけではない。大切なのは、未来に備えつつも、「必要なもの」にはお金をかけていく、という姿勢なのだ。

(本原稿は、『アート・オブ・スペンディングマネー 1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』(モーガン・ハウセル著・児島修訳)に関連した書き下ろし記事です)