その買い物は、本当に「自分のため」だろうか。それとも、誰かにどう見られるかを意識した結果だろうか――お金の使い方に関する世界的ベストセラー『アート・オブ・スペンディングマネー 1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』によると、私たちのお金の使い方は、「ステータスのための支出」と「実用性のための支出」に分かれるという。そしてこの違いが、あとになって人生の満足度に大きな差を生む。私たちが、本当に買うべきモノとは何か?(構成:ダイヤモンド社書籍編集局)
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「ステータス」vs.「実用性」
私たちは日々、多くの「買う・買わない」を判断している。その多くは深く考えられることもなく、価格や知名度、まわりの空気で決まっていく。
だが、そうした何気ないお金の使い方が、あとになって効いてくる。その事実を、静かに、しかし鋭く突きつけてくるのが、お金の使い方のベストセラー『アート・オブ・スペンディングマネー』だ。
本書が繰り返し問いかけるのは、「なぜ、それを買うのか?」という一点である。著者は、買い物をするときにまず確認すべき視点として、次のように述べている。
(『アート・オブ・スペンディングマネー』より)
ステータスのための支出は、他人の視線を前提にしている。評価されたい、よく見られたい――その動機自体が悪いわけではない。だが、そこで得られる満足感は、どうしても短命になりがちだ。
「実用性基準」の買い物こそ、人生に響く
一方で、本書が重視するのが「実用性」に基づく支出である。著者は、実用性についてこう表現している。
(『アート・オブ・スペンディングマネー』より)
ここで言う利己性とは、わがままさではない。自分にとって何が本当に必要かを、自分の基準でお金の使い道を決めるという意味だ。
仕事の質を高めるもの、健康を支えるもの、学びや経験を深めるもの。そうした支出は、派手さはなくても、あとから確実に「効いてくる」。
「これはステータスのためか? それとも実用性のためか?」
「これは自分の人生を、どう良くするのか?」
その問いに、自分の言葉で答えられるかどうか。そこにこそ、後悔しないお金の使い方の分かれ道がある。その積み重ねが、10年後、20年後の人生に確かな違いを生むのだろう。
(本原稿は、『アート・オブ・スペンディングマネー 1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』(モーガン・ハウセル著・児島修訳)に関連した書き下ろし記事です)





