人生、うまくいかないことの方が多い――。残念ながら、それが現実です。大事なのは、そんなときに「ついてないな」「運が悪いな」などとネガティブに考えないこと。たとえ非科学的であっても、「これはチャンスなんだ」とポジティブに自分を“騙す”ことによって、実際に「いいこと」は起きるのです。これは単なる精神論ではなく、よくよく考えると多くの人が納得できる“深い理由”があるのです(この記事は、『超☆アスリート思考』(金沢景敏・著)を抜粋したものです)。

「賢い人」より「おめでたい人」の方が人生うまくいく“深い理由”写真はイメージです Photo: Adobe Stock

トップアスリートは「運気」がみなぎっている

「運気」を上げたい――。
 これは万人の願いだと思います。

 誰だって、よいご縁に恵まれて、よい仕事をして、よい結果を出して、明るい気持ちで生きていきたいはず。そして、そんな明るい気持ちで生きているからこそ、よいご縁に恵まれて、よい仕事をして、よい結果を出すという好循環が回っていく……みなさんも、そんな人生を送りたいと願っているのではないでしょうか。

 僕も心からそう願っています。
 そして、僕にとって、トップアスリートのみなさんは最高の先生です。

 なぜなら、長年にわたって結果を残してこられたトップアスリートは、どなたも「運気」がみなぎっているからです。

「運気」がいいからこそトップにまで上り詰め、それを長年にわたって継続されてきた……そんなトップアスリートのみなさんと接するときには、全身から放たれている「運気」を浴びながら、そのような「運気」を身につける秘訣を学ばせていただいているのです。

 その筆頭が元男子バレーボール日本代表の川合俊一さんです。

 僕が川合さんと知り合ったのは、TBSのADだったころのこと。スポーツ番組の司会をされていた川合さんが、番組終了後にお酒を飲みにいくときに、誘われてもいないのに勝手にくっついていったのです。

 お店に入って席につくと、川合さんが「あれ、お前、誰だっけ?」とおっしゃるので、笑顔で「番組ADの金沢です。勝手についてきました!」と大きな声で挨拶すると、川合さんは顔をほころばせて、「おお、そうか。俺は運がいい。そんな俺と酒を飲むお前も運がいいぞ!」と大歓迎してくださったのです。

 それは、本当に嬉しかったですね。そして、それ以来、川合さんには、「運気」を上げる秘訣について、何度も教えていただいてきました。

イヤなことがあったら、「ありがとうございます」と言う

「俺は運がいい」
 川合さんは、本当に口癖のようにそうおっしゃいます。

 お父さまに「お前は身体がデカくなるだろうから、バレーかバスケをやるといい」とすすめられて、たまたまバレーを選択したのも運がいい。地元の公立中学のバレー部に入ったら、たまたま近所にいい選手が多くて、全国大会の決勝まで行ったのも運がいい。

 日本体育大学3年のとき、日本代表戦で補欠だったのに、先発選手の怪我で急遽出場して、そのまま日本代表入りを決めたのも運がいい……。このように、これまでのご自身のキャリアを振り返りながら、「俺は運がいい」といつもおっしゃるのです。

 そして、「運気」を高めることの重要性を強調されます。もちろん、日々の練習をコツコツと積み重ねることで「実力」をつけることが大前提ですが、そこに「運気」がつくと“ドンと行く”とおっしゃるのです。

 では、どうすれば「運気」が上がるのか?
 第一に、ネガティブな言葉を使わないこと。特に、「ああ、ついてないな」「ああ、運が悪いな」という二つの言葉は絶対NG。この二つの言葉を使った瞬間に、それまで積み重ねてきた運が一気にゼロになるとおっしゃいます。

 川合さんご自身も、イヤなことがあったとしても、絶対にネガティブな言葉は口にしません。
 たとえば、川合さんは身長が高いので、ものに頭をぶつけないようにいつも気をつけておられますが、それでもぶつけてしまうことがあります。

 もちろん、痛い。だけど、そんなときは、「お前は最近調子に乗っているから、気をつけろ」と神様が注意してくれたと思って、「ありがとうございます」と言うようにしているそうです。そして、実際に、「ああ、昨日は目上の方に対する言葉遣いがよくなかったな」などと反省することで、自分の日頃の行いをチェックするのです。

「こうやって、イヤなことがあったときに、悪い言葉を使わずに、『ありがとうございます』と言うから運はたまるんだと思う。それに、こういうときに反省するのは、とてもいいことだと思うしね」と川合さんはおっしゃいます。

「自分を騙せる人」が劇的に成長する

 また、「自分を騙す」ことも大事だといいます。

 たとえば、川合さんは、ご自宅に入ってきたハサミ虫を逃してあげたときに、それを見ていた奥様にこんな言葉をかけられたそうです。

「あなたに何かよくないことが起きても、ハサミ虫が恩返しをしてくれるよ。自信をもって生きなさい」

 このとき、川合さんは、この言葉を真に受けるのです。

 もちろん、科学的に考えれば、「そんな現象は起きない」という結論になりますが、大切なのは、ここで「ハサミ虫が恩返しをしてくれる」という言葉で、「自分を騙す」ことなのだというのです。
 なぜなら、そのように「自分を騙す」ことができれば、心が明るく前向きになり、物事をポジティブに考えることができるようになるからです。その結果、「運気」が高まっていくわけです。

 これは、スポーツでも同じだとおっしゃいます。
 トレーニングのために、選手たちにグラウンドを全力で10周走るように指示したとしましょう。最初は快調に走れていても、5周、6周、7周と走り続けるうちに、だんだんキツくなってきます。このときに、川合さんは、「あと3周頑張ったら、年末ジャンボが当たるぞ!」などと発破をかけることがあるそうです。

 言うまでもありませんが、そんなもの当たるわけがありません。そもそも、宝くじを買ってないんですから……。だから、10人中9人の選手は「何バカなこと言ってるんだ」で終わりです。

 だけど、10人に一人、いや、数十人に一人、その言葉を真に受けて、「ここで頑張ったら、年末ジャンボだ!」と自分を騙して頑張れる選手がいるそうです。そして、そういう選手の「運気」はどんどん上がっていって、あるときを境にポーンと伸びていくとおっしゃるのです。