訪日観光客が困惑「ごみ箱はどこ?」Photo:Takashi Aoyama/gettyimages

【東京】米ジョージア州アトランタでエンジニアとして働くミランダ・キャッスルベリーさん(32)は昨年12月、日本に到着すると、セブン―イレブンに直行した。他の観光客がソーシャルメディアに投稿していたアイスコーヒーのバニラアイスのせを飲むためだ。

 コーヒーを飲み終えた時、プラスチックのカップを捨てる場所が見つからなかった。インターネットで話題になっているもう一つの現象、すなわち日本に公共のごみ箱がほとんどないことにキャッスルベリーさんは気付いた。

 結局、ユニクロで大きなポケットが付いた紺のフリースの上着を購入した。3週間の日本旅行の残りの期間は、そのポケットがごみ箱代わりになった。

「自分のごみは全部、ポケットに突っ込んでいた」と彼女は話す。「人間ごみ箱になったのは初めてだった」

 日本は数十年にわたって、公共の場所にほとんどごみ箱がないにもかかわらず、世界で最も清潔な場所の一つと評価され続けてきた。しかし海外からの旅行者の流入――昨年は過去最高の4270万人に上った――で、ごみを巡る均衡が崩れつつある。観光客が多い地域では、ごみのポイ捨てが増加し、一部の地元当局がごみの管理を見直している。

 観光庁の最近の調査によると、観光客が挙げた困りごとの1位は公共のごみ箱の少なさで、「言葉の壁」や「人混み」を上回った。一部の観光客にとって、ごみ箱はめったに見かけないがゆえに記憶にとどめる価値のある光景になった。