腰や首の痛みが続くと、「年齢のせいかな」「仕方ないのかも」と思ってしまいがちです。でも実際には、体の使い方や整え方を少し見直すだけで、ラクになるケースも少なくありません。
整体や鍼灸の現場で大切にされているのが、「施術を受ける」だけでなく、「自分で体を整える」という視点。その考え方のひとつが、「自力整体」です。
自力整体は、特別な道具を使わず、日常生活の延長で無理なく取り入れられるメソッドとして知られています。
今回は、その考え方をベースに、腰や首の痛みを見直すためのポイントと、手軽にできるワークを紹介します。
※本記事のワークは、新刊『すっきり自力整体』の内容をもとに構成しています。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗

見た目でわかる!? 「通院しても腰痛がなおりにくい人」の共通点【自分でできる整体のススメ】

「治療しているのにラクにならない」Aさんのケース

「ちゃんと治療を受けているのに、腰の重さが抜けない」
 そんな違和感を抱えたまま、毎日をやり過ごしていませんか?

 じつは、腰痛が長引く人ほど“痛い場所だけ”を一生懸命ケアしていることが少なくありません。

 整体の現場では、
 ・姿勢のくずれ
 ・内臓の疲れ

 この2つが重なり、腰に負担が集中しているケースを多く見かけます。

 今回は、書籍制作の体験モニターとして参加してくれたAさん(30代後半・男性)の変化をご紹介します。

「腰が悪い」のに、本当の原因は別にところにあった

 仕事中、座りっぱなしのAさんは、

 ・慢性的な腰痛
 ・坐骨神経痛
 ・首のヘルニアによる不調

 を抱え、痛みが強いときはブロック注射でしのぐ生活を続けていました。

 さらに不摂生な食習慣も重なりウエストは約100cm。
「お腹まわりの変化には、正直フタをしていました」とAさん。

 姿勢をチェックすると、

 ・猫背
 ・ストレートネック
 ・骨盤後傾

 これは痛みを抱える方に多い共通点。腰だけでなく、全身が無理をしている状態だったのです。

姿勢のくずれ+内臓疲労が、腰を追い込みやすい

 長時間座り続ける生活では、骨盤は後ろに倒れやすくなります。
 すると背骨の自然なカーブが失われ、腰への負担がいっきに増加。

 そこに、
 ・食べすぎ
 ・遅い時間の食事
 などが重なると、内臓は休めず、お腹が前に張り出します。

 結果として、姿勢はさらに崩れ、腰や神経に負担が集中。
 これが、Aさんの腰痛が治りにくかった背景でした。

Aさんが3ヵ月続けた、たった2つの習慣

 おもにAさんに取り組んでもらったのは、難しいことではありません。

 ① 寝る前20分の自力整体
 → 硬くなった体をゆるめ、血流を促し、ゆがみをリセット

 ② 内臓を休ませる食習慣「整食法」
 → 夕食は就寝3時間前まで
 → 朝は固形物を控え、おかゆやスープ中心に

 ポイントは、
「頑張る」ではなく「休ませる」ことでした。

体の内と外が整うと、変化は同時にやってくる

 この2つを続けた結果、まず変わったのは「眠りの質」

 眠りが深くなり、代謝・排泄力がアップ。
 体のめぐりが整い始めると、姿勢も自然に安定していきました。

 その結果――
 ・腰や首の痛みが徐々に軽減
 ・体重 -4.1kg
 ・ウエスト -16.5cm

 痛みとメタボ、同時に手放すことができたのです。

見た目でわかる!? 「通院しても腰痛がなおりにくい人」の共通点【自分でできる整体のススメ】ストレートネック・猫背・反り腰を改善し、腰痛とメタボを同時に克服したAさん

腰痛が続く人こそ、見直してほしい視点

 腰の痛みが長引くときは、「腰そのもの」ではなく、姿勢・内臓・生活リズムを含めて体全体を見直すことが、回復の近道になる場合があります。

 がんばりすぎない。
 無理に鍛えない。
 整えて、休ませる。

 その視点が、腰痛改善の第一歩です。
「自分の体を自分で整えたい」
 そう感じた方は、ぜひ一度、自力整体を試してみてください。

 それでは最後に、痛みの緩和に役立つ手軽な「骨盤まわりをゆるめるワーク」をご紹介します。

見た目でわかる!? 「通院しても腰痛がなおりにくい人」の共通点【自分でできる整体のススメ】
見た目でわかる!? 「通院しても腰痛がなおりにくい人」の共通点【自分でできる整体のススメ】

 ◎骨盤まわりをゆるめるワーク

【手順1】
◆長めのタオルを用意。あおむけになり、タオルを左足裏にひっかけて脚を上げる。足裏は天井と平行に。ひざ裏を軽く伸ばしながら、脚の後ろ側の刺激を味わう

【手順2】
◆ひざを曲げ、足先をぐーっと顔に引き寄せながら、左ひざを床に近づける

【手順3】
◆左足の側面を右ももの付け根におろし、ゆっくり左ひざを開く。左の股関節・もも・ひざの伸びを感じる
(このときお尻の奥の筋肉「梨状筋」がほぐれ、坐骨神経痛もラクに)

【手順4】
◆反対側も同様に。硬い側は長めにおこなう

 時間に余裕のある日は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」で、全身をしっかり整えるのもおすすめです。

『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。

矢上 真理恵(やがみ・まりえ)
矢上予防医学研究所代表取締役
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

自力整体オフィシャルウェブサイト
https://www.jirikiseitai.jp/

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所設立者、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約400名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』『100歳でも痛くない 痛みが消える自力整体』(ともに新星出版社)など多数。自力整体の書籍は累計32冊、総発行部数は77万部を超える。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
※自力整体は矢上裕の登録商標です。