池上彰氏が報道の裏側を読み解くための視点を解説池上 彰氏 Photo:SANKEI

ふだん何げなく目にしているニュースや新聞記事だが、細かな表現や語尾に着目すると、思わぬ真意が見えてくることがある。日々膨大なニュースに目を通している池上彰氏が、報道の裏側を読み解くための視点を解説する。※本稿は、ジャーナリストの池上 彰『池上彰が話す前に考えていること』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。

得をするのは誰かを考えると
ニュースの本質が見えてくる?

 ほんの少し視点をずらすだけで浮かび上がってくるものがあります。気になるニュースがあるたび、私は「それで得をするのは誰?」と真っ先に考えます。

 この習慣をいやというほど叩き込まれたのは、新人記者時代。「サツ回り」を中心に6年ほど地方で仕事をしたあと東京の社会部に異動し、警視庁捜査一課と捜査三課の担当を任されました。

 捜査一課といえばドラマや小説でもおなじみ、殺人や強盗などの凶悪犯罪を捜査する部署です。犯人を捕まえるためには、まず「事件で得をしたのは誰?」と考えるのが普通でした。

 ニュースもまた然り。「それで得をするのは誰?」と利害関係を考えることで、思わぬヒントが手に入るかもしれませんよ。

新聞記事の性格は
語尾から見抜ける

 新聞記事には「性格」があり、大まかに2つのパターンに分けられます。

1.事実を報じるもの
2.意見、推測、見通しを述べるもの

 私たち読み手に求められるのは、「どこまでが事実で、どこから先が意見や推測なのか」を峻別する力でしょう。

 1つコツを伝授します。文章の書き方をよく観察することです。

「……だ」「……である」と断言する記事は、事実だと自信をもって書かれている場合が多い。