そのため、おむつや汚れた下着などを便器に放り込んでも、そのまま汚物タンクまで流れてしまう。ときにはそれがタンクから汚物を抜き取る際にひっかかってしまうことがある、というわけだ。
異物が詰まっていて汚物がタンクから出てこずに現場でも対処できないと、JR東日本に連絡、詰まりを除去する作業が加わることになる。もちろんその場合でも、車庫を出て行く時間を遅らせてもいいということにはならない。だからこそ、ひとつひとつの作業を効率的に進めていくことが肝要なのだ。
ちなみに、おむつや下着などがタンクまで流れてしまうということは、スマホや財布といった貴重品も同じだ。トイレを洗浄しなくても、誤ってスマホを便器に落とすと、その重みでフラッパーが開き、汚物タンクまで真っ逆さま。ウンコやオシッコの中にポチャンと落ちて、一巻の終わり。そうなってしまえば、もう二度と取り戻すことは不可能だ。
穴の小さい真空式を採用している東海道新幹線ならば、便器の中に引っかかって止まるのでタンクに落ちる心配はない。洗浄で使用する水も500mlに満たない少量だから、水没もしない。ただ、いずれにしてもトイレに行くときは、落としものには要注意。そして、傍らに置いたスマホや財布をそのまま忘れてトイレから出る人も多いというから、忘れ物にも要注意、である。
同時進行で進むトイレの清掃
車両基地の仕業検査線で行なわれているのは、汚物の抜き取りだけではない。車内の清掃作業も同時並行で進んでいる。
車内の清掃作業には、座席などをはじめとする客室内も対象に含まれている。こちらはこちらで、「アイドルのコンサートがあるとキラキラした小さな紙吹雪みたいなのがたくさんついている」「芝生の上に座るような花火大会などのイベントのあとは、座席に芝生の切れ端が」などなど興味深い話を聞くことができたのだが、本書のテーマはあくまでもトイレなので、別の機会に。







