そこでおすすめしたいのは英英辞典である。英英辞典は英単語を英語で説明しているので、言葉の語源を知ることができる。本書では、しばしば英英辞典を引用するので、さっそくここで目を慣らしておこう。

train;
(1) a set of connected railroad cars pulled by an engine along a railroad.
【訳】鉄道を走る機関車に引っ張られる車両のこと

(2) to teach someone or be taught the skills of a particular job or activity.
【訳】特別な業務や行動の技術を教えられること

※出典『Longman Advanced American Dictionary』(以下、LAAD)

 英英辞典の解説を読めばはっきりするように、元々の意味は、機関車に「引っ張られる」車両の一群のことであり、列車や電車そのものを指すのではない。ここで重要なのは、「引っ張られる」ということだ。そして訓練というのも、実は同じだ。すなわち、人をある目的(技能の習得)のために(有無を言わさず)引っ張っていく様を思い浮かべてもらいたい。

 つまり、(1)と(2)は、全くかけ離れているように思われるけれど、「引っ張られる」という点では共通している。つまり、語源は同一なのである。例として、trainに ingを付けるとtraining(トレーニング)となり、納得していただけるだろう。

「毎日trainに乗る」と言ったらアメリカ人が絶句した理由trainの単語が持つ動きのイメージ

 このように、多くの日本人が公教育で英語をたくさん学んだはずなのに、なかなか英語が理解できないひとつの理由は、英単語を日本語に相当する言葉で覚えた(覚えさせられた)ため、単語の訳より、実は大事な“動き”の意味が分からないからである。しかし、鉄道という身近な存在の、trainという誰もが知る言葉が、そんな英語を学ぶための大きな違いの実像を教えてくれるのだ。