「グリーン車」「ロマンスカー」はNG?外国人に通じない鉄道英語の落とし穴写真はイメージです Photo:PIXTA

今や、日本国内は外国語が氾濫しているが、鉄道においても同じだ。しかし、それらはよく見てみると“外国語もどき”のものも多く、少々乱暴な言い方をするとフィーリングで決めたのではないかと勘繰りたくなるものも散見される。これらはネイティブスピーカーに通じないのは当然だが、意味を誤解されてしまう懸念もある。日本人にとっては馴染み深い“英語もどき”の言葉を取り上げてみよう。※この記事は、野田隆『鉄道で親しむ英語』(交通新聞社)の一部を抜粋・編集したものです。

緑色の車両でもないのにグリーン車?

 最初に取り上げるのは、グリーン車である。グリーン車とは、普通車よりワンランク上の車内設備を持つ車両で、料金に比例してゆったりとした造りの座席であり、東海道新幹線では、車内販売やおしぼり配付といったサービスも受けられる。

 新幹線の車内などでは、そのままGreen Carと案内されている。ところが、これでは本来伝えたいはずの「上等の車両」ではなく、「緑色の車両」という意味になってしまうのだ。

 まず、なぜグリーン車という言葉が誕生したのか? 国鉄時代、車内のクラスは諸外国のような1等車、2等車、3等車という等級制だったが、1969(昭和44)年、一億総中流といった世相にそぐわなくなったことから等級制を廃止し、それに代わる名称として、普通車に対してワンランク上の車両として誕生したのがグリーン車である。

 なぜグリーン(緑色)なのかには諸説あるが、窓下にライトグリーンの帯が入っていたこと、あるいは1等車の硬券きっぷの色がグリーンだったことに由来するとの説が有力だ。