自社サービスに金融機能を導入する「組み込み型金融」に新たな波も…AIエージェント×ステーブルコインで“金融が空気”に?写真はイメージです Photo:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

時代の変遷に伴いトレンドが変化

 事業者が自社サービスに金融機能を導入する「組み込み型金融」が広がっている。連載の初回では、国内外のトレンドを紹介したい。組み込み型金融の広がりには大きく三つの波がある。第一の波が2010~20年ごろだ(図表)。銀行が独占していた金融機能がアンバンドリング(分離)され、決済、融資、保険などのサービスが個別のフィンテック事業者によって提供されるようになった。だが、利用者は信頼を寄せる金融機関を選択し続ける傾向が強かった。

 21年から潮流が逆転し、現在は第二の波の中にある。非金融事業者が自社サービスに金融機能をリバンドリング(再統合)する動きが加速している。ECサイト運営会社や鉄道会社などが金融機能を自社サービス内に組み込むことで、ユーザーは一つのサービス内で金融体験を完結できるようになっている。

 同時に、25年からは第三の波も訪れている。「自律金融(Autonomous Finance)」だ。自ら考えて行動するAI(人工知能)である「エージェンティックAI(AIエージェントとも称する)」と、ステーブルコインなどブロックチェーン(分散型台帳)技術が台頭している。従来の金融インフラのコストや時間の限界を解決し、利用者が意識せず金融サービスを享受する時代の到来を予感させる。