ロシアが侵攻したウクライナでも太平洋でも、最先端のセンサーや自動制御、素材を搭載した気球が見直されている。気球は低コストながら偵察や通信接続、爆発物の運搬が可能だ。レーダーにはほぼ映らず、飛行を妨害する電波のはるか上空を移動する。また、使い捨ての攻撃型ドローン(無人機)などを、標的がいる遠方に運び、前線から遠く離れた場所に破壊と恐怖をもたらすこともできる。大小さまざまな軍隊から注目が集まっている。米陸軍は4月にネバダ州と欧州各地で行う演習で高高度気球を使う予定だ。今年後半に太平洋で気球のスウォーム(編隊)を実験する準備も進めている。欧州の同盟国も気球のさまざまな軍事利用を試している。「飛行機でできることは何でも気球でできるが、大半の国は導入しようとしていない」。気球を扱ったことがあるピーター・フィリップス元米特殊部隊将校はこう話す。