日本でも数少ない老眼対策のエキスパートで、話題の書籍『100歳アイ』の著者でもある眼科医・伊勢屋貴史さんへの特別インタビュー。4回目は、同書籍で紹介され、静かな人気の「100歳アイトレーニング」を伝授していただきます。目の疲れを5つに分解して医学的にアプローチしたすごい技です。
構成:言語化工房

【老眼専門の眼科医がおススメ】老眼の症状を劇的に改善するトレーニングとは? 「五つの疲れ」に医学的アプローチPhoto: Adobe Stock

近くが見にくい、目が疲れる、首や肩がつらいといった「老眼の症状」を改善することが狙い

――「100歳アイトレーニング」が好評だそうですね。これをやると老眼が治るのでしょうか。

老眼の原因は年齢とともに水晶体が硬くなることなので、老眼そのものはトレーニングでは治りません。

このトレーニングは、近くが見にくい、目が疲れる、首や肩がつらいといった「老眼の症状」を改善することが狙いです。

これらの症状は水晶体の硬化だけでなく、長時間にわたって目を酷使することによる目の疲れ、スマホやパソコン画面の見過ぎ、目に合っていない眼鏡の使用など様々な原因で現れます。

老眼の症状とはいえ、水晶体の硬化以外の原因で起きる部分もあるわけですね。

トレーニングでは、いえ、今の医学では水晶体をやわらかくすることはできませんが、それ以外の原因で起きている症状に働きかけることで、老眼の症状を大幅に和らげることができるのです。

――伊勢屋さんが独自に編み出したのですか。

はい、そうです。

眼科医として12万人、「二十四万の瞳」と向き合ってきた経験から、まずはいわゆる「目の疲れ」を分析して、「目の内部の筋肉の疲れ」、「目の周りの筋肉の疲れ」、「涙の不足」、「脳の疲労」、「自律神経の乱れ」という5つに分解しました。

その上で、5つの問題それぞれに対して医学的にアプローチできる方法を組み合わせて、12種類のトレーニングにまとめています。出版後まだ間もないのですが、「少しやっただけで目と首と頭がすっきりした」「仕事中にいつでも簡単にできてすごくいい」など、たくさんの読者のみなさんから感謝の声をいただいています。

100歳アイトレーニング①「Eye Love推しトレ」

――とても興味があります。12種類の中から、実際にいくつか教えていただいていいですか?
もちろんです。

一つ目は、最も簡単でおすすめの「Eye Love推しトレ」から始めましょう。

まずはオフィスや自室など普段作業をしている席から2メートル以上離れた場所に、自分の「お気に入り」の何かを置いてください。

応援しているアイドルやお子さん、ペットなどの写真、好きなキャラのフィギュアやぬいぐるみ、アート作品など何でもかまいませんが、自分にとって見るとうれしくなるものがいいですね。

――はい、パソコンにうちの犬と猫の写真を表示させて、2メートル先に置きました。

用意ができたら、仕事や読書、スマホなどを20分続けるごとに20秒間、その「お気に入り」を見つめてください

そして、その間に深呼吸を2回してください。それだけでOKです。

「Eye Love推しトレ」は毛様体筋をストレッチしてほぐすことができる

――えっ、それだけですか!? すごくシンプルですが、このトレーニングでどんな効果が期待できるんでしょうか。

眼球の中にあり、遠近にピントを合わせるのに重要な「毛様体筋」は、ずっと近くを見続けると緊張を強いられてこり固まってしまいます。

20分に1度、20秒間、離れた場所を見つめることで、この毛様体筋をストレッチしてほぐすことができます

――たしかに目の奥が軽くなって、手元がくっきり見えるようになった気がします。

それがストレッチの効果です。

さらに、推しのアイドルや我が子、ペットといったお気に入りの対象を見つめると、脳内でオキシトシンというホルモンが分泌されるといわれています。

オキシトシンは幸福感を生み、ストレスを軽減してくれます。深呼吸とオキシトシンのダブル効果で、目だけでなく全身のリラックス効果が期待できますよ。

――言われてみるとリラックスできている気がしてきました(笑い)。毎日仕事中に取り入れるようにします。