【解説】「自分ごと」化が読解の解像度を上げる
入試本番の緊張感の中では、自分とは全く異なる境遇や価値観を持つ登場人物に出会うと、「理解できない」とパニックになってしまうことがあります。しかし、そんな時こそ「自分の身の回りで似たような感覚はないか?」と問い直すプロセスが活きてきます。
遠く離れたフィクションの世界の出来事を、自分自身の日常的な体験という「手触りのある感情」に翻訳するのです。この「自分ごと」化のステップを踏むことで、文字の羅列でしかなかった文章が、急に鮮明なリアリティを持ち始めます。
突飛な設定に隠された「普遍的な感情」
どれほど奇想天外な設定や、風変わりなキャラクターが登場する物語であっても、その根底に流れているのは「恐れ」「喜び」「嫉妬」「安堵」といった、私たち人間が共通して持つ普遍的な感情です。
ドアを後ろ手で開ける少女の奇妙な行動も、感情の根源をたどれば「不安を遠ざけて安心したい」という自己防衛の心理に他なりません。表面的な行動の奇抜さに惑わされず、「要するに、自分が身近で感じた『あの感覚』と同じだな」と本質を見抜くことができれば、出題者の意図はすでに掴んだも同然です。
「類推する力」がどんな難問も打ち破る
このように、未知で抽象的な状況を、自分が知っている具体的な経験に引き寄せて考える「類推(アナロジー)」の力は、国語の心情読解において最強の武器となります。また、この思考法はテストの点数を上げるだけでなく、現実世界で他者の不可解な言動に直面した際の対人スキルとしても役立ちます。
「わからない」で片付けるのではなく、「もしかしてこういうことか?」と想像の橋を架ける習慣をつけることで、あなたの読解力と思考力はさらに深く、確固たるものへと成長していくはずです。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









