歴史が苦手な人は「具体(下)」から覚える。東大生が知る「幹(上)」から掴む記憶術
【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格!『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
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歴史学習を「暗記」で終わらせない方法
読解力を上げるのに有益なのが、「上の言い換え」と「下の言い換え」の切り替えです。
少し難しい言い方をすると、上の言い換えとは「上位概念への抽象化」、下の言い換えは「下位概念への具象化・具体化」です。
例:「まとめていうと野菜」
下の言い換え=下位概念への具象化・具体化(→たとえば)
例:「たとえば、それはトマト、ブロッコリー、キュウリ」
歴史学習を「暗記」で終わらせない方法
日本史や世界史を勉強する際にも、「上の言い換え」と「下の言い換え」は有効です。
歴史の暗記モノでは、「下の言い換え(たとえば)」で、年号や人名などの具体例ばかりをインプットしようとする傾向が強いと思います。
東大が試す「まとめる力」の正体
ところが、東大入試の歴史では、「上の言い換え(まとめていうと・要するに)」がわかっていないと、答えられない問題が“必ず”出題されます。
「1960年代に生じたアジア・アフリカの政治的解放にともなう諸戦争について論じよ」「東アジアの伝統的な国際関係の在り方はどう変化したか論じよ」といった具合です。
「点」の暗記では、「流れ」はつかめない
東大の例を見て「自分には関係ない」と思うのは早計です。なぜなら、これは歴史学習で最も効率的な方法を示唆しているからです。
人名や年号といった「下(具体例)」ばかりを追いかけても、それらは記憶の「点」にしかなりません。テスト範囲が広がれば、その「点」はすぐに記憶からこぼれ落ちてしまいます。
「1960年代のアジア・アフリカの政治的解放(上)」という大きな「流れ」や「幹」を先に理解していれば、ベトナム戦争(下)やアフリカの年(下)といった個別の出来事(枝葉)は、「あの話の具体例だな」と自然に結びつきます。
「上の言い換え」で幹を掴むことこそが、無数の枝葉を記憶に定着させる最強のアンカー(錨)になるのです。
教科書が「最高の論述テキスト」に変わる
この力は、特別な訓練をしなくても、日々の学習で鍛えられます。その秘訣は、教科書の「見出し」や「章タイトル」を徹底的に意識することです。
たとえば、「◯◯時代の経済発展」という章タイトル(上)があったら、「その具体例(下)は何か?」を探しながら読む。「◯◯の乱」という出来事(下)が出てきたら、「まとめていうと、これは何(上)が原因か?」と自問するのです。
この「上」と「下」の往復運動を意識するだけで、退屈だった教科書が、「問い(上)」と「答え(下)」で構成された最高の論述テキストに変わります。わざわざ高い問題集を買わなくても、知識を整理し、論理的に説明する力が勝手に身についていきます。
歴史を「使える武器」にするために
歴史を学ぶ本当のメリットは、過去の出来事を暗記することではありません。
現代の社会で起きている複雑なニュース(下)を見たときに、「まとめていうと、この問題の本質は◯◯だ(上)」と見抜いたり、「たとえば、これは歴史上の◯◯のパターンと似ている(下)」と応用したりする力こそが重要です。
「上の言い換え(要するに?)」と「下の言い換え(たとえば?)」を使いこなすことは、歴史を「単なる暗記科目」から、未来を予測し、問題を解決するための「思考の武器」に変える、最も確実なトレーニングなのです。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









