「シャラップ!」トミー・バストウの背中だけで1分弱!やさしいパパから一転「鬼の激怒」へ〈ばけばけ第118回〉

「子どもが分かる本を書いてほしい」

 主題歌明け。ヘブンはベストセラーを書こうと机に向かっている。終わり人間じゃない、終わり人間じゃないと繰り返し、自分を鼓舞し続ける。「終わり人間」いいワードだなあ。意味は悲しいけれど。

 錦織が死をもってたき付けてくれたのに、また、窮地に陥っているヘブン。人生はかくのごとく何度も何度も波が上がったり下がったりするものだ。大事なのは、上がったときや下がったとき、どういう心持ちでいるかである。平常心でやるべきことをやるだけなんだろうなあと筆者は思う。

 居間では、丈とトキたちがおしゃべり。

 丈は、うっかり帝大をクビになった話をしてしまうんじゃないかと、緊張気味。でも、そういうときに限って、流れが、そっちの方向にいってしまいがちだ。

 次の本はベストセラーにしてギャフンといわせてやるとヘブンが言っているという話題になって、「なぜギャフン?」とトキ。丈は慌てて「新しい学長と馬が合わない」のだと誤魔化(ごまか)す。

 ヘブンが何度目かのスランプに陥っているが、停滞回かと思わせて、着々と次なる展開の布石が打たれる。

 今度の本は「僕でもわかるのがいいな」と言う子どもたち。

 父親が作家だといっても、本当に書いているのか、小泉八雲なんて知らないと言われている。

「そりゃそうよ、あなたたちの父上は難しいご本を書いちょるけん」とフミ。だから子どもは知らなくて当然というが、だったら「子どもが分かる本を書いてほしい」と子どもたちはせがむ。

 強烈な布石である。

 その後、ヘブンは丈とミルクホールへ。

 次の題材を話し合い、丈はヘブンの自伝はどうかと提案。でもヘブンは「わたし、ただの西洋人の異人です」と控えめ。

 自分の話などおもしろくないと考えている。「終わり人間」だしと自虐しているのかも。断然、彼の半生は悲劇のあとに遠い日本で家族を見つけたという話はおもしろいと思うが。

 ベストセラー作家になった暁には、そういう企画が持ち込まれそうだけれど。

「すみません。兄のようにお力になれなくて」と丈。

 やがて、モデルの小泉八雲は、名匠・山田太一によってドラマになり、さらには妻をヒロインにした朝ドラにもなるのだ。