生まれ変わったら何になる?
ただただ焦るヘブン、書斎でキセルを吸ってイライラ。キセルの吸い過ぎはからだによくない気がする。
机に向かって書いている背中がわりと長い時間映る。そこに「パパ、おやつ食べようパパ」「パパの好きな羊羹(ようかん)だよ」「パパ、パパ」という声がかぶり、カメラはじょじょに背中をアップにしていく。音楽や声もかぶせているとはいえ、背中だけ映して50秒近く。ついにシャラーップ! と大爆発。
なかなか攻めている。早送りする人たちに対抗する朝ドラ。
「桃源郷に鬼がおったか」と司之介が叱られた子どもたちをなだめる。
ヘブンは庭でキセル。熊本では床の間にあったシャチホコが庭に。
トキが散歩に誘う。
ひなびたお地蔵さんにお参り。
「さびしい、なんぼ すばらしい」こういうのは落ち着くのだ、ヘブンは。
悪いとこないですか、とトキが心配すると、
「悪いところありませんけど、痛いところあります」
でもそれは「痛い」ではなく「いたい」。
「私!この寺 いたい」(おりたい)
ダジャレだった。
生まれ変わったら坊さんになればいいとトキ。
「わたし、生まれ変わったら蚊になります。
にくいヒト、刺します 大学学長、刺します」
ちょっとうらめしい節になるが、「アイタイヒト、刺します」と言い換える。
このあとの展開が傑作で
「ママさん 何になります」
「わたしこの寺、木魚なります」
木魚? 聞き間違いかと思ったが、確かに「木魚」って言った。なにこの会話。嫌いじゃない。
坊さんの必需品でいつも叩いてほしいってこと? 数珠とか袈裟(けさ)とかじゃないところがトキらしい。
不思議なほのぼの散歩のあとは、ヘブンは深刻に、イライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)に手紙を書いている。
「まだ何も浮かんでいないが、一体何を書いたらいいか、アイデアをくれないか? それとは別に、大学を解雇された。新たに教師の職を探しているが、まだ良い返事はない。そこで、アメリカに講義や講演の仕事はないだろうか」
ついにアメリカに戻る気持ちにもなっているようだ。
ヘブンは東京が好きではなく、トキのために東京暮らしを選んでいるのだ。なんかトキのために熊本に行き、トキのために日本人になり、トキのために東京暮らしをする。そして「終わり人間」になってしまった。自分の人生、これでよかったのかと考えちゃうだろうなあ。
このドラマ、退職して、することなくなった男性が朝、出勤しなくてよくなって見ていたら、すごく共感してしまうのではないか。外国人作家の妻になった女性の物語ではなかったのか。









