アメリカの西部開拓史はまだ終わっていない

――昨年、アメリカ国籍を取得されたとのこと、永住権にとどまらず市民権も取得された理由を、お聞かせください。

 単なる永住権だけでは、同じように所得税など支払ってきても、相続税負担では市民権保有者と同じようには扱われません。また投票権はもちろんありません。これらの問題を解決するには市民になるしかありません。

 どちらの国で死ぬのかなと考えると、答えはアメリカとなります。この国の将来にはやはり希望を感じます。たくさんの問題を抱えているのですが、オバマが再選されたとか、私も投資しているアリゾナの砂漠が見事な果樹園に生まれ変わり、太陽の光を浴びて元気に樹木が育っている様子などを見ると、この国はまだまだ将来を拓いてゆける可能性が無限にあると感じるのです。西部開拓史はまだ終わっていないのです。

――投資銀行家として、また日本出身の「アメリカ人」としての、今後の活動のプランをお聞かせいただければ幸いです。

 アリゾナでのピスタッチオとピーカンの果樹園開発は、「これで終わり」ということがない永遠のプロジェクトですので、今後もかかわって行きます。

 これまで本は7冊出させていただいたのですが、全部日本語で書きました。将来、息子やその子ども、またその子どもたちに伝えたいことを英語で書いておかなければいけないと思っています。祖父が家系の歴史を『風樹の年輪』という本にまとめてくれておりますので、自分のルーツを確認するのにたいへん役だっています。私も同じようなものを英語で遺しておきたいと思います。

 日米間、もしくは「日本語の世界」と「英語の世界」の間の交流の促進には、今後もいろいろな形で貢献できれば幸いだと考えています。


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