日本でも起業家や起業家予備軍が増えつつあるのは素晴らしいことだ。だが一方で、「おいおいしっかりしろよ」と言いたくなるような例を見ることも多々ある。
ベンチャー、大企業を問わずよく言われる話は、「上から言われた事を鵜呑みにしてはダメ」「世の中で通説のように言われている事は誰かの思い込みだと疑え」ということがある。
つまり、自分で考える事が大切だということだ。これが、組織で守られた大企業とは違い、ベンチャーではなおさら大切になる。
ヒトのせいにはできない
現実に強いストリートスマートたれ
ストリートスマートさが起業家の成否を分けるのは世の常だ。今回は、鵜呑みや思い込みの例とともに、ストリートスマートについて考えてみたい。
そもそも、ストリートスマート(street-smart)とは、何だろう?
「困難な状況でも成功するために必要なスキルと知性、あるいは都市環境で生き残るために必要な鋭い臨機応変さを持つ様」といった意味だ。サバイバルスキル(survival skills)という言葉もあるが、これは危険な状況で生き残る術であり、ストリートスマートはこの一段上級のものとも言えよう。
ブックスマートやアカデミックスマートという言い方もあるが、これは机上の知識があり、教科書の内容を分かっている人のことだ。分かっていることは着実にこなすが、頭でっかちで現場には弱いとか、未経験のことに直面すると対処できない、変化や不確実な状況に弱く、打たれ弱いという短所がある。また、もっともらしいことを言うが、実際の仕事はうだつがあがらなかったりする人も多い。
ベンチャーには、日々問題が降りかかってくるが、これを次々と対処していくことが求められる。現実に対峙し、たくましく生きていくこと、新しい問題にぶつかっても、なんとか切り抜けていくたくましさが起業家には必須だ。
他にも細かく挙げればきりがない。ざっくりとまとめると、陥りがちなワナに、鵜呑みと思い込みによって嵌ってしまうということだ。一度嵌ってしまえば、努力も無駄になり、なかなか前に進むことができなくなる。
生き抜く術を解説した教科書など存在しないベンチャーという土俵で、どう相撲をとるかは自分次第だ。ヒトのせいにはできない。ならば、ストリートスマートにベンチャーの世界で勝ち残っていただきたい。