新校舎と新校門も完成し、「日本学園」から「明治大学世田谷」に
2026年首都圏中学入試が終わった。26年入試の3つの大きな特徴的な傾向の一つである「付属校離れ」について、MARCH系列校を中心に考えていきたい。まずは「世田谷」が加わり4校体制になった明治大学を取り上げる。(ダイヤモンド社教育情報、森上教育研究所)
MARCHの付属校に起きた異変
2026年首都圏中学入試では、3つの大きな特徴的な出来事があった。26年特有の事情として挙げられる女子受験生への「サンデーショック」については、最も多くの受験生が集まり、東京と神奈川の一般入試解禁日である2月1日午前の入試結果とともに以前の連載で触れた。中堅中位校人気で強まる「共学校志向」についてはまた後日触れてみたい。
ということで、今回から大学付属校の“軟化”について、人気のMARCH系列校に焦点を当てて考えてみたい。まずは明治大学である。MARCHとは首都圏で、早稲田・慶應義塾、上智やICU、東京理科に次いで難関の人気私立大学の総称である。明治・青山学院・立教・中央・法政という5つの大学で約3万人を募集している。その系列の中学は、付属校と学校法人が異なる系属校を合わせて、明治4校、青山学院3校、立教4校、中央と法政が各2校となっている。他に中央2校と法政1校の付属高校もある。
26年入試では、全体的に大学系列校の受験者数の減少と実倍率の低下という緩和傾向が見られた。中高大10年間を内部推薦のエスカレーターで進む生徒が多くを占めるMARCHもその例外ではない。大学通信などの調査によるMARCH合格者数ランキングは、毎年『サンデー毎日』などの誌面をにぎわせている。難関国公立大学や早慶にはいま一歩届かなくても、せめてMARCHにと望む保護者が、中学受験でもこうした系列校の受験を後押ししているのだろう。
少子化が進んでも、MARCH系列中学はランク的には上位・中堅校のグループに収まり、実倍率も3倍前後となかなかにハードな受験状況が続いてきた。ところが、新型コロナ禍が明けてから、こうした系列校(付属校と学校法人が異なる系属校)でも受験者数が徐々に減り、実倍率(受験者数と合格者数の比)も緩和気味になってきている。
こうした傾向の背景には何があるのか。森上展安・森上教育研究所代表はこう指摘する。
「付属校の受験者数減少は、何といっても理系進学率の少なさに原因があります。それに対して中堅の進学校からは、MARCHに十分入れるようになっていますし、難関・上位の進学校では理系進学率40%は固いでしょう。これからの時代に、MARCH系列校での10%台程度の理系進学率ではかなり不安だろうと思います」
これからの時代とは何か。文部科学省は昨年10月に出した「日本の高等教育の構造と改革の方向性」(高等教育局)の中で、成長分野での人材供給のギャップ解消のためにも「大学学部におけるサイエンス系分野の重視及び文理分断からの脱却」を掲げている。MARCHの抱える「理系不足」問題は、これからの系列中学受験状況を左右する要因ともなる。
実際には、MARCHの理系学部の大学入学定員に占める割合は6%から25%まで大きく差が開いている。また、系列校からの内部進学の割合は8~9割が多いものの、中には3割台の学校もあり、その開きは大きい。
なお、受験者数・実倍率動向については、ランクも参照しながら見ていきたい。入試の難易度は四谷大塚「合不合Aライン80偏差値」でランク分けした。Aランク(65以上)、Bランク(60~64)、Cランク(55~59)、Dランク(50~54)となっている。







