◆【人間関係の罠】「そりゃしんどいわけだ…」他人に期待して疲れる人→心をラクにする境界線の引き方
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)

【精神科医Tomyが教える】家族や部下を壊すリスキーなNG行動・ワースト1Photo: Adobe Stock

相手への「期待」は
なぜ生まれてしまうのか?

今日は、「期待は諸悪の根源」というお話をしたいと思います。期待には、自分に対するもの、結果に対するもの、そして他人に対するものなど様々ありますが、今回は「相手に対する期待」に焦点を絞ってお話しさせていただきます。

期待の正体は
「境界線(バウンダリー)」の問題

結論から申し上げますと、相手に対する期待というのは「境界線(バウンダリー)」の問題です。

自分の境界線と相手の境界線がうまく引けていない方は少なくありません。本来、自分と他人の問題は切り離して(セパレートして)考えたほうが、人間関係も円滑になり、幸せに生きられます。これがバウンダリーの基本的な考え方です。

しかし、私たちのデフォルトの状態では、自分の問題と他人の問題をあまり区別できていないため、そこに苦しみが生まれてしまうのです。

群れで生きる人間の
「デフォルトの性質」

では、なぜそもそも他人に期待を持ってしまうのでしょうか。はっきりとした原因は分かりませんが、これは「人間の本来の性質」と言えるかもしれません。

人間は一人では生きられず、集団(群れ)で行動するようにできている生き物です。トラやパンダのように個体で独立して生きる動物もいれば、ライオンやサルのように群れで生きる動物もいますが、人間は後者にあたります。

群れとして考えるのが基本だからこそ、自分と他人の問題、特に家族などの身近な相手との問題を一緒くたにして考えてしまうのだと思います。

複雑に考えるからこそ
生まれる苦しみ

群れで行動する動物が、自他の問題を混同して苦しんでいるかといえば、おそらくそんなことはありません。彼らは毎日の生活に集中し、単に「群れとして生きる」という遺伝子の戦略に従っているだけだからです。

しかし人間は高度に社会化されており、自分の立ち位置や社会からの評価などを複雑に考えすぎてしまう生き物です。「この人生でいいのだろうか」と思考を巡らせる過程で、他人の問題までも自分の問題として引き受けてしまうことが、しんどさにつながっているのです。

境界線を引いて
自分にできることに集中する

だからこそ、ストレスを減らしてありのままに生きるためには、意図的に思考を分ける必要があります。「これは自分の問題か、他人の問題か」と問いかけましょう。

自分のことならコントロールできますが、他人のことはコントロールできません。他人の問題については、「私はこう思うよ」と意見を伝えるにとどめ、あとは「なるようになる」と割り切る。そして、自分が納得できる範囲の行動に集中することが非常に重要です。

相手に期待してしまうのは人間の本質的なものですが、それに「気づく」だけでも期待は減らしていくことができます。ご自身が相手に期待していると気づいたら、減らせる範囲で減らしていく。それが、心を楽にするための大切な第一歩になると思います。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。