◆「プロを目指すな、保育園児になれ」素人が株で生き残るための驚きの法則
「人生詰んだ」と絶望する40歳、小遣い月1万5000円のしがないサラリーマン。重いローンと教育費、冷え切った家庭に居場所を失った彼が拾ったのは、89歳の現役トレーダー・シゲルさんの古びた手帳だった。投資歴70年“投資の神様”から授かる、お金と人生を劇的に変える究極の授業。“小説形式”でスラスラ読めてドンドンわかる話題の書『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』から、どん底からの逆転劇の投資ノウハウを凝縮して解説する。
写真:川瀬典子
「投資の赤ちゃん」からの脱却
ベテラン投資家との濃密な3時間
ある日、株式投資に行き詰まりを感じていた私は、ベテラン投資家・シゲルさんのもとを訪れました。その圧倒的な熱量と相場への姿勢を目の当たりにし、私は思わずこんな言葉を口にしていました。
「僕……人生を見つめ直してみます」
ポツリと本音が口をついて出た私に対し、シゲルさんはこう返しました。
「話ぐらいやったら聞いたるで。株やりながらやけどな。かたっぽの耳はテレビやけど、そのために耳は2つあるんや」
シゲルさんの飄々とした話しぶりに、私は思わず笑ってしまいました。
「ありがとうございます……僕、もうちょっと株の勉強します。また来てもいいですか?」
「ええよ。君は株でいうたら、まだ赤ちゃんや。次は、保育園児くらいにはなっときや」
「はい!」
頭を下げてシゲルさんの家をあとにした私の滞在時間は、わずか3時間でした。けれどその濃密さは、これまでの数年間を軽く凌駕していました。
このエピソードには、私たち個人投資家が市場で長く生き残り、成長していくために欠かせない「マインドセット(心のあり方)」とノウハウが詰まっています。
「自分が無知である」と認めることの強さ
シゲルさんの「君はまだ赤ちゃんや」という言葉は、決して相手を突き放しているわけではありません。投資の世界において、「自分がまだ何も知らない初心者である」と素直に認めることこそが、すべての成長のスタートラインになります。
相場で少し利益が出ると、人はつい「自分には投資の才能がある」と過信してしまいがちです。しかし、その慢心こそが大きな損失を招く引き金となります。自分の実力不足を自覚し、常に謙虚に市場から学ぼうとする姿勢が、結果として大切な資産を守ることにつながるのです。
いきなり「プロ」を目指さない…段階的な成長術
また、「次は保育園児くらいにはなっときや」という言葉も非常に実践的な教えです。個人投資家はつい、一気にプロのようなトレードをして大金を稼ごうと焦ってしまいますが、投資の世界では段階的なステップアップが不可欠です。
●保育園児の段階: 少額で実際に株を買い、値動きに慣れ、自分の感情の揺れを体感する。
●小学生の段階: なぜその株を買うのか自分なりの仮説を立て、決算や業績を読み解き始める。
いまの自分の現在地を正確に把握し、無理に飛び級をせず「一つ上のステージ」を目指すことが、遠回りに見えて最も確実な勝ち筋となります。
良質な「基準」が投資家を育てる
わずか3時間で数年間を凌駕するほどの経験ができたのは、「本気で相場と向き合っている人」の圧倒的な基準値に触れたからです。シゲルさんの徹底した投資への姿勢を見ることで、自身の甘さが浮き彫りになりました。
自分の「投資に対する基準値」を引き上げることは可能です。焦らず、自分の現在地を受け入れ、着実にステップアップしていきましょう。
※本稿は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。











