しかし丁寧にたどっていけば、必ず結びつきが見えてきます。たとえば「調達コストを下げる→経費率が下がる→価格競争力が上がる→売上が増える」という具合です。
つまり、あなたが会社からもらっている給料は、最終的には顧客が支払ったお金の一部なのです。
「自分は何の価値を提供し、その対価としてどれだけの報酬を得ているのか」。この問いに向き合うことが、キャリアとお金を考える出発点になります。
AIに置き換えたほうがいい仕事と
人間にしかできない仕事の違い
次に、その価値が「人間にしか生み出せないものか」を考えてみましょう。
私が携わっている社会人教育の世界でいうと、私個人は、「1人ひとりの可能性に火を灯し続ける」ことが自分が提供している価値だと考えています。
さらに掘り下げると、私が登壇しているグロービス経営大学院のミッションは「創造と変革の志士」を創出することなので、それに向けて精一杯尽力して、そこへの貢献の対価を受け取っていると捉えています。
一方で、基礎知識の反復練習や業界リサーチ、教材開発などは、もはやAIに任せたほうが早く、たいてい正確で、高品質です。
とはいえ、「受講生の表情や空気、心の葛藤を読み取りながら、クラスを最適に回す」ような高度なファシリテーションや、「実ビジネスの曖昧さや矛盾をどう捉え、どう乗り越えるか」といった、ネット上ではまだ構造化や言語化しきれていない部分は、人間の強みが発揮される領域といえるでしょう。
どんな業界にも、AIに置き換えたほうがいい仕事と、人間が関わり続けたほうがいい仕事があります。自分の業務がどちら側に属するのかを見極めることが、これからのキャリア設計の第一歩です。
自分の生み出した利益から
給料を逆算してみる
最後に問いたいのは、「同じ人間でも、自分にしか創り出せない価値なのか」ということ。
この問いにすらすら答えられる人は、おそらく天職に就いている人です。よく言われる「Want(やりたい)・Can(できる)・Should(やるべき)が重なる場所」で働いている人ともいえるでしょう。







