AI時代において、自分にしか提供できない価値で売上を生み出している人こそ、最も幸せな働き方をしている人です。

 さらに踏み込んで、「自分の給料は適切か」という視点を持つことも大切です。

 私が社会人2~3年目の頃、上司にこう言われました。

「自分の給料の5倍は売上に貢献していると言い切れるまでは、給料の文句は言うな」

 この考え方を具体的に数値化してみましょう。たとえば、こんな感じです。

・10億円の融資案件があり、アップフロントフィー(案件が成立した時点でもらえるお金)が1%、利ざやが2%だとすると、年間総売上は3000万円。
・会社と個人の貢献度を仮に3:2で配分すれば、個人の貢献分は1200万円。
・その案件に4人が関わっていれば、1人当たり300万円。

 このように「自分がどれだけ売上に貢献しているか」を概算できるようになれば、給料への納得度も変わってきますし、「この規模の案件を年間何件クローズできれば、今の給料の何倍になるから、胸を張って堂々と給料がもらえる」などと考えることもできます。

 一方、非常に多くの人数で、多くの機能を振り分けながら売上を作っている大企業などの場合は、個々人への落とし込みが難しくなります。特に、直接的な利益を生み出さない間接部門の場合、概算するのが難しいかもしれません。

 それでも、丁寧に分解していって、自分は売上(あるいは利益)にどのように貢献しているのか、具体的にイメージを持てるほうがいいでしょう。

 数字で把握できるということは、ファイナンス思考でキャリアを捉える第一歩です。

自分の価値を言語化できる人は
AIに仕事を奪われない

 AIの台頭に不安を覚える人は多いでしょう。

 しかし、「自分はどんな価値を提供しているのか?」「それは人間にしかできないことか?」「その中で自分にしかできないことは何か?」という3つの問いについて、できるかぎり言語化、数値化していけば、不安の正体は次第に見えてきます。

 漠然と不安を抱えたまま過ごすことこそ、最も不健全です。

 AIの登場は、自分は本当に何がしたいのか、そして自分は今もらっている給料に見合うだけの価値を出せているのかを考える絶好の機会です。

 価値を出せているなら胸を張ればいい。不安なら、行動を起こせばいい。

 AIを恐れるのではなく、自分という資産の本当の価値を見直すきっかけにしてみてください。