本当に392歳?

 研究では、海洋生物の年齢を特定することは困難だと指摘されている。

「脊椎動物は、人間と同じくらいの寿命、長くても50年から100年程度の違いだと考えがちだ......しかし海洋生物は非常に長寿である可能性が高く、その年齢を特定することは非常に難しい」

 サメの年齢を推定するため、ニールセンと研究チームは放射性炭素年代測定の技術を用いた。

 具体的には、1950年代の核兵器実験によって生成された炭素14が、発育過程でサメの眼の組織にどのように取り込まれたかを調べたのだ。研究によれば、グリーンランドザメは大型であるが成長が遅い動物だ。調査された中で最も高齢のサメはほぼ4世紀もの間生きており、この種はおよそ150歳で成熟に達すると研究者たちは結論づけた。

 ニールセンは2021年、米日刊紙USAトゥデイに対し、この広く共有されている写真は実際には動画から切り取られたスクリーンショットであり、2020年に自身のインスタグラムに投稿したものだと語った。

 ニールセンは映像に写っているサメについて、2017年に捕獲され、衛星タグを取り付けたうえで放流された全長4.4メートルの巨大なグリーンランドザメだと説明している。当初その動画からスクリーンショットを共有したが、その画像はその後オンラインで何百回も再投稿され拡散していったと記している。

 ニールセンによると、この画像にはしばしば「400歳」あるいは「500歳」とするキャプションが添えられていることもあるという。

「そのサメは確かに大きかったが、年齢について正確なことは言えない」とニールセンは記している。画像に写っているサメは150歳以上ではあるだろうとしつつも、あくまで推測にすぎないとも強調している。

 また、グリーンランドザメの寿命は少なくとも272年に達するとするこれまでの推定についても、この推定は眼の水晶体核に対する海洋放射性炭素年代測定に基づくものであり、他の手法であれば変わる可能性もあると指摘した。