トランプ大統領Photo:Anadolu/gettyimages

トランプ政権2年目の地経学
米国は「西半球」を“自国テリトリー”に

 2026年が始まって1カ月も経たないうちに、世界は2025年と全く違ったものになってしまったかのような印象を受ける。

 1月3日にトランプ大統領は、ベネズエラに軍事侵攻し、マドゥロ大統領を電撃的な軍事介入で拘束し、アメリカに連行して、米国内法で裁くという「法執行」を行った。

 国際的な批判が起きる中、さらには返す刀で、トランプ大統領は就任前に主張していたデンマークの自治領であるグリーンランドを買収する意思を示し、軍事力を用いてでもグリーンランドを支配することを示唆した。

 それに対抗して軍事演習を行った欧州8カ国に対して、トランプ大統領は10%の関税を課すと発表し、6月には25%の関税に引き上げると脅し、同盟国に対しても強引な手法で国益実現を図る姿勢が顕著だ。

 トランプ大統領は、21日、欧州8カ国への高関税賦課は、NATOと「将来の合意に向けた枠組みで相互に了解に至った」と、一転して「撤回」を表明した。だが真相は不明であり、その後もグリーンランド領有の主張は唱え続けている。

 なぜトランプ大統領は、こうした無理を押し通そうとするのだろうか。

 ベネズエラへの軍事介入については、石油利権の確保との見方もあるが、いまのところはそうした利権を手中に収めようとする動きは起きていない。ではなぜ、ベネズエラ侵攻だったのか。

 ここでは、トランプ大統領の行動は、何らかのロジックがあるという前提に立ち、2年目のトランプ政権の動向や政策の行方を占うと、「西半球」を“自国テリトリー”と位置付けた「米国第一」「自国優先」路線のより大きな図式が浮かび上がる。