新興企業(スタートアップ)の従業員にとって良い時代がやって来た。米マサチューセッツ工科大学(MIT)のある卒業生は、エントリーレベルのソフトウエアエンジニア職を得たが、その年俸は22万ドル(約3500万円)だった。これは彼を採用した企業が明らかにしたもので、しかも株式を含まない金額だという。スタートアップは長い間、低めの基本給を手厚い株式報酬(現金化できるとは限らない)で補うことで知られてきた。その考え方は、イグジット(創業者や出資者が保有株式を売却して投資資金を回収すること)や新規株式公開(IPO)の際に大きな見返りを得られる可能性を示して、人材を引き留めるというものだった。最近では、高成長の人工知能(AI)系スタートアップがベンチャーキャピタル(VC)から潤沢な資金を得ている。これに人材市場での競争激化が相まって、より高額な報酬オファーが増えているほか、インセンティブの仕組みもますます工夫されたものになっている。