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新興市場のスタートアップは、新規株式公開(IPO)で市場の期待を背負い、多額の上場マネーを集める。だが、上場後に企業価値を十分に高められず、現在の時価総額が上場時の価値を下回る企業も少なくない。長期連載『スタートアップ最前線』では、現在の時価総額と上場時の資金調達額の差額に着目。投資家の期待を裏切り、上場マネーを「食いつぶした」と見なされかねない企業をランキングした。ワースト27社の顔触れを見ていこう。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
上場で膨らんだ期待は維持できたか
「上場マネー」と時価総額の落差を見る
株価のピークは上場時――。上場による経営陣や投資家の利益を優先し、その後の株価が低迷しているため「上場ゴール」とやゆされる企業が複数ある。
高い成長期待を背負って新興市場に上場したスタートアップも、上場後にその期待に見合う企業価値を維持できるとは限らない。株式市場は新規株式公開(IPO)の時点でその企業の将来性に値札を付けるが、成長の鈍化や競争激化が起きれば、その評価は簡単に見直される。
そこで今回は、「現在の時価総額」から「上場時の資金調達額」を差し引いた金額に着目した。なお、ここでの資金調達額は、新株発行によって企業が直接得るマネーに加え、創業者やベンチャーキャピタルなど既存株主の懐に入る売り出し株も加えた市場からの調達総額を指す。マイナス幅が大きいほど、現在の市場の評価よりも、上場時に企業や既存株主が得た金額の方が大きいことを意味する。
対象は東証グロース、札証アンビシャス、名証ネクスト、福証Q-Board上場企業のうち、2000年1月以降に設立された企業。時価総額は3月18日終値ベース、売上高と純損益は直近本決算(25年2月期~25年12月期)の数値を用いた。その結果、マイナス幅が50億円以上の企業は5社に上った。
業種別では情報・通信が16社で最多となり、サービスが8社で続いた。インターネット経由で業務ソフトウエアを提供するSaaS(Software as a Service)やICT(情報通信技術)企業は、上場時に高い成長期待が織り込まれやすい半面、成長率の鈍化が見えた瞬間に評価が剥落しやすい。タイトルに挙げたアプリ開発支援のヤプリは、その典型例として浮上している。
それでは、上場時の期待値に最も届かなかった企業はどこか。次ページでワースト27社を確認していこう。







