
新NISA制度が2年目を迎えた2025年は、米トランプ政権の政策をめぐる波乱を乗り越え、投信残高が174.8兆円と過去最高を更新する結実の年となりました。日米市場が3年連続の好成績を記録する中、個人の資金流入は株式一辺倒から、歴史的な高騰を見せた「金」や安定志向の「バランス型」へと広がりを見せています。相場の乱高下を受けて、投資家の行動は一時的な利益確定を経て、積立投資を再開へ。過去最高水準の活況を呈した2025年の投信市場を、資金フローと投資対象別のトレンドから詳しく総括します。
2025年の投資信託市場は
一時的な利益確定を経て、年末に流入が再加速
新NISA2年目となった2025年の株式相場は、米トランプ政権の関税政策をめぐる懸念などから一時大きく下落する場面がありました。しかし、終わってみれば極めて堅調な値動きとなりました。
日経平均株価は、年間で26.2%の上昇となり、2023年の28.2%上昇、2024年の19.2%上昇に続き、3年連続で2ケタの上昇率を記録しました。また、米国株式も、2025年は米S&P500指数が16.4%、米ナスダック総合指数が20.4%の上昇となり、こちらも好調な成績を記録しています。
こうした良好な投資環境の下、2025年の投資信託市場も2024年に続き、活況を呈した1年となりました。
まず、2025年末の投信残高は、投資信託協会の公表データによれば、ETFを除く株式投信の残高で174.8兆円と、年初の140.9兆円から24%の大幅増となり、過去最高を更新しています。純設定額(資金の純流入額)は、年間で+14.3兆円の資金流入を記録。2024年の+15.3兆円からやや減速したものの、こちらも高水準の資金流入が続きました。
細かく見れば、2025年はトランプ関税のショックから4月初めに株式相場が乱高下したこともあり、その後の反発局面当初の5~7月あたりで利益確定売りが目立ちました。しかし、その後は年末にかけて再び資金流入が加速しており、10~12月には平均で1.5兆円程度の資金流入額を回復しています。
まとめると、2025年も高水準の資金流入額と株高による値上がり効果によって、投信残高が大きく押し上げられた1年だったと言えるでしょう。
「金」高騰を受け金関連投資信託を含む「その他型」が急増!
バランス型への資金シフトは投資家のリスク回避の表れか
続いて、投信評価機関モーニングスターのデータを用いて投資対象別の純設定額を見てみると、2025年も「外国株式型」が圧倒的なトップとなっています。ただし、同カテゴリーへの資金流入額は+11.5兆円で、2024年の+12.7兆円から減速しており、これが投信市場全体の資金流入減速につながっています。
また、「国内株式型」も2024年+1.3兆円から2025年は+0.6兆円に減速していますが、すでに指摘したように株式相場が乱高下した2025年4月以降の利益確定売りや投資家の様子見姿勢などが要因と見られます。
「外国株式型」に次いで資金流入額が大きかったのが、「アロケーション型(バランス型)」の+1.7兆円(2024年+1.2兆円)、金(ゴールド)関連投資信託の人気を受けた「その他型」の+1.1兆円(2024年+0.2兆円)です。これらの上位3つのカテゴリーが1兆円を超える資金流入額を記録しました。金先物価格(CMX)の2025年の年間騰落率は64.4%に達し、日本株や米国株と比較しても突出した上昇率となっています。
一方、バランス型への資金流入拡大を見ると、世界経済の不透明感が意識される中で、物価高対策、円安防衛といった要因も徐々に強まっているのではないかと思われます。
藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
ダイヤモンド・ザイでは1年に1回、「NISAで買える本当にイイ投資信託」を部門別にランキングし、上位のファンドを表彰している。人気や知名度ではなく、データを最重視した完全実力主義のアワードだ。「1.どれだけ上がったか(上昇率)、2.どんな時も下がらない(下がりにくさ)、3.ずっと優等生(成績の安定度)」の3つの独自基準で評価を行う。また、非常に人気があり多くのお金を集めているにもかかわらず成績が振るわない投資信託も、「もっとがんばりま賞」として発表している。
<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧
▼日本株総合部門
▼日本中小型株部門
▼米国株部門
▼世界株部門
▼新興国株部門
▼リート部門
▼フレッシャー賞
▼もっとがんばりま賞
▼(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/363017
本記事は2026年1月24日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。






