沖縄では“老化”がゆっくり進むのはなぜ?「健康寿命を延ばす」シンプルな生活習慣とは写真はイメージです Photo:PIXTA

「ウェルビーイング」は、1948年の世界保険機関(WHO)設立の際に考案された憲章で、初めて使われた言葉だ。「幸福で肉体的、精神的、社会的全てにおいて満たされた状態」をいう。新しい幸せの形として用いられ、最近さまざまな場面で耳にすることが多くなった。『ウェルビーイングの新潮流』第27回では、100歳以上が多く暮らす「長寿地域」の秘密に迫る。

100歳以上の高齢者が多く暮らす
「ブルーゾーン」とは

 人はなぜ老いるのでしょうか。この問いに対し、現代医学は「年齢そのものが原因ではない」という結論に近づいています。

 老化とは、細胞の損傷が蓄積し、それを修復する力が追いつかなくなった結果として進行する現象です。つまり老化スピードには個人差があり、生活習慣によって大きく左右されるのです。その代表的な実例として、世界的に注目されているのが「ブルーゾーン」と呼ばれる長寿地域です。

 ブルーゾーンとは100歳以上の高齢者が極めて多く暮らす地域を指し、日本の沖縄、イタリアのサルデーニャ島、ギリシャのイカリア島、コスタリカのニコヤ半島、アメリカのロマリンダが知られています。これらの地域は民族も宗教も生活環境も異なりますが、共通して「老化が非常にゆっくり進む」という特徴を持っています。

 研究が進むにつれ、ブルーゾーンの長寿は遺伝ではなく、日常の食生活に大きく関係していることが明らかになってきました。その中でも重要な役割を果たしているのが、魚などの海産物の継続的な摂取です。

 ブルーゾーンの人々は決して大量の魚を食べているわけではありませんが、摂取頻度は高く、日常の食事の中で継続的に取り入れています。沖縄では、魚介類は週に3〜5回程度取り入れられ、刺身、煮物、汁物など比較的低温の調理法が中心でした。イカリア島でも小魚や干物が日常的に食され、肉類は特別な日の料理に限られています。