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言語学者で明治大学教授、堀田秀吾氏の著書『ハーバード、スタンフォード、科学的に証明された時間をムダにしない人の習慣』(アスコム)から、重要なポイントを抜粋・再編集して特別公開します。今回は「努力が実を結ばない人の『思考のクセ』」について、学術的な知見を交えながら解説します。
努力が実を結ばない人に
共通する「思考のクセ」
一生懸命取り組んできたことがなかなか実を結ばないとき、あなたはどうしますか?
「方向性が間違っているかもしれない」「自分に合っていないのかもしれない」と、一度立ち止まって考えますか?それとも「ここまでやったのに、いまさら引き返せない」「自分は間違っていないはずだ」と、そのまま突き進みますか?
実は、後者の道を選んだ瞬間、時間は静かに失われていきます。
人は誰でも「自分の選択は正しい」と信じたい生き物です。ビジネスでも勉強でも恋愛でも投資でも、「やめたほうがいい」とわかっていても、そこに注いできた努力や時間、お金、感情を否定するのがつらくて、「もう少しだけ」とさらにリソースを費やしてしまう……。
こうした「思考のクセ」の背景には、次のような心理が働いています。
(1)確証バイアス:都合のいい情報だけを集める
私たちは、膨大な量の情報の中から、自分の意見や価値観にとって都合のいいものばかりを集め、都合の悪いものをシャットアウトする傾向があります。これを「確証バイアス」といいます。
たとえば、「A株は絶対に上がる」と思い込んでいる人は、A社に関するポジティブなニュースばかりを集め、不安材料や警告記事を無視しがちです。その結果、冷静に判断することができなくなってしまうのです。
(2)認知的不協和:「間違い」を認められない
認知的不協和とは、自分の思考と行動が矛盾したときに生じる不快感のことです。
人は、その不快感を解消するため、どちらかを無理に変えようとします。ただ、行動を変えるにはエネルギーが要るため、多くの場合、思考のほうを後づけで調整してしまうのです。
たとえば、「今の仕事は嫌だ」と思っているのに、退職する勇気を持てないと、「今の仕事を嫌いではない」と思い込もうとするのです。
確証バイアスも認知的不協和も、自分を守ろうとする心の働きですが、確証バイアスが現実を歪め、認知的不協和がそれを維持し、気づかないうちに「時間の浪費」と「判断の停滞」を引き起こします。







