コロナショックで困惑した筆者が
「狼狽売り」を回避できたワケ

 わたしの初めての暴落体験は、2020年のコロナショックでした。

 当時、「日経平均株価」は約2カ月間で30%下落、「S&P500」も1カ月で30%以上下落、「オルカン」も20%近い下落を記録しました。

 インデックス投資を始めたばかりの初心者だったわたしには、これは相当に大きな衝撃でした。当時、毎月の生活費を10万円以内に抑えるハードな節約を重ね、2年間で約600万円を貯蓄していました。そのうち約300万円をインデックス投資に回していたため、資産規模に対して投資額は大きく、リスクもかなり高い状況だったのです。

 家計簿アプリに証券口座を連携し、日々増減する資産に一喜一憂していた頃でしたから、資産が増えると自分の努力が報われた気がして自己肯定感が高まるようでした。しかし、そんなお花畑気分のわたしに突然コロナショックが襲いかかり、容赦なくわたしの資産を減らしていったのです。

 株式投資には「狼狽売り」という言葉があります。これは、株価が暴落した際に精神的に不安定になり、恐怖や不安から逃れるために株式を売却してしまう行為を指します。頭のなかでは、「売却しない限り損失は確定しない」「そのうち株価は回復する」と理解していても、メンタルが耐えられず不合理な判断をしてしまうのです。

 幸いにも、投資に関して理論武装を開始していたわたしはそこで思いとどまることができ、狼狽売りをせずに済みました。しかし、SNSには「パンデミックで世界は壊滅。しばらく経済は回復しない」「もうおしまいだ!」と不安を煽る投稿が散見され、「わたしも株式を売って現金を確保したほうがいいのかな……」と弱気になる瞬間がなかったとはいえません。

 それでも、最終的には世間の不安に同調せず狼狽せずにいられたのは、株式投資初心者なりに必死になって勉強して、知識を身につけていたからです。

 わたしのなかで信頼できる投資系YouTubeチャンネルを観て、「暴落への気構え」を学び、株式投資の名著を読むたびに、「暴落は耐えろ」「チャンスだ」と書かれているのを知っていたため、理性が働いたのだと思います。

 上の表は、1980年代から2010年代の世界の株式市場における「20%以上の下落」をまとめたものです。ここでいう弱気相場とは、直近の株価の最高値から20%下落した相場のことであり、低迷した状態の期間を表しています。

 見ての通りですが、マイナス20%以上の暴落は10年に2回は発生します。つまり、30年間投資をしていれば単純計算で6回は直面することになるわけで、暴落や弱気相場はかなりの頻度で起こるということです。

 期間についても、直前の最高値から20%以上も下落している状態は長くて30カ月(2年半程度)、短ければ2カ月、平均すれば11カ月程度となります。