YouTubeの投資系コンテンツが
視聴者の目に留まるワケ

 次に、メディアや情報発信者の立場を意識することも大切です。

 YouTubeの動画やSNSの投稿は、視聴者の目を引くことが目的です。過激なサムネイルやタイトルで興味を持たせ、不安や期待を煽る手法が使われることもあります。みなさんがYouTubeを開きランダムで流れるリコメンドが視界に入ったとき、思わずドキッとして目を止めるような見せ方に腐心しているというわけです。

 情報の尖りや煽りに反応して焦って投資をしてしまうのではなく、「これは視聴者の関心を引くための演出だな」と発信者目線で捉えることで、冷静さを保つことができます。

 わたし自身は、記事や書籍を通じて「堅実にインデックス投資をしておこう」という趣旨を明確に伝えていますし、YouTubeでも嘘をつかず真正面から発信しています。しかし、正論は面白みや意外性に欠けるため、多くの人の関心を引きにくいのも事実です。

「次にくる10倍株はこれだ!」
「5年で3000万円をつくる方法!」

 そんな派手な文言のほうが多くの人の注目を集めやすいですし、多くの人がS&P500に投資しているとわかっているから、「S&P500はオワコンだ」というような不安を煽るプロモーションが効果的になっていることもあるでしょう。

 だからこそ、「心を揺さぶられるのは当然。情報提供者は心を揺さぶることが目的なのだ」と理解することが大切です。

 さらに、証券会社のアナリストや投資会社のトレーダー、テレビの株式ニュースであっても、発信には必ずバイアスがあります。

 投資会社が特定の銘柄や市場を推したい場合、その意図が情報に反映されたり、番組のスポンサー企業に不利な情報は控えられたりするなど、様々な事情により情報に偏りが生じることがあるのです。

 すべてのメディアの発信には「目的」や「忖度」があると捉え、鵜呑みにせず、「話半分」で受け取るスタンスが重要です。そのうえで、信頼できる情報源や自分に合う発信者を見つけることが、正しい情報収集と心の安定につながります。