また、即日配達ができないとしたら「即日配達できない形になっております」でなく「即日配達はできません」「即日配達は承っておりません」「即日配達は難しいです」などいくらでも無理のない答え方はあります。できないことをはっきり分かりやすく伝えることもサービスの一環なのです。

「こちらの商品はアトリエでも完売しており、お取り寄せできない商品でございます。申し訳ございませんが、どうぞご理解のほどよろしくお願いいたします」

 冒頭に「恐れ入りますが」とクッション言葉を使ったり、「申し訳ございません」を最後に加えたりなどして、重い鎧を脱ぎ捨てましょう。

「おっしゃられてください」
――まだるっこしく紛らわしい二重敬語

「お気付きのことがございましたら、何なりとおっしゃられてください」

 こう言われて「では早速」とばかりに「それ、二重敬語ですよ」と物申したことはありません。仕事でもない限り、言葉の誤りをいちいち注意するのは、無粋ですから。

 とはいえ、もし自分がサービスを提供する側なら、二重敬語は避けたい過剰敬語の一つです。二重敬語だと認識しながらあえて使う業界もあるようですが、一般的に長たらしい印象を与えることは否めません。

 そんな二重敬語の定義をここで確認しておきましょう。「敬語の指針」(文化庁)にはこうあります。

“一つの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」という”

 これに照らせば「おっしゃられる」も「言う」を「おっしゃる」と尊敬語にし、さらに「れる」を加えて尊敬語にした二重敬語です。「仰せになられる」も「言う」を「仰せになる」と尊敬語にし、さらに「れる」で尊敬語にした二重敬語です。

 もっとあります。次の表現(左側)も二重敬語で、本来は右側のようにすべきです。

× ランチをお召し上がりになられている → ○ ランチをお召し上がりになっている
× 手紙をお書きになられている → ○ 手紙をお書きになっている
× 本をお読みになられている → ○ 本をお読みになっている