輸出モデルの崩壊に直面するドイツは、自動車の生産から大砲の生産へと軸足を移し、製造業の衰退を防衛産業の拡大へと転換しようとしている。数十年にわたり欧州の製造業をけん引してきたドイツは、中国との競争激化と需要低迷に苦しみ、第2次世界大戦後で最長の停滞期に突入。その対策として打ち出した方針は、産業基盤を西側諸国の兵器庫として作り直すことだ。従来の構造が崩壊したことは、複数の指標が示している。政府の統計によると、かつて主力産業だった自動車部門を含め、製造業では毎月約1万5000人の雇用が失われている。自動車大手メルセデス・ベンツは2025年の利益が49%減少したと発表。世界第2位の同業フォルクスワーゲンも、同年に利益が44%落ち込んだため、2030年までにドイツ国内で5万人の雇用を削減する計画を明らかにしている。ポルシェなどの主力ブランドも営業利益が前年比で98%減少する壊滅的な打撃を受けた。しかも24年はすでに近代史上で最悪の年の一つとなっていた。
兵器工場に生まれ変わるドイツ、自動車低迷で
工場、労働者、資本を防衛部門に振り向けている
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