写真はイメージです Photo:PIXTA
人間関係に疲れる人には、ある共通点がある。それは「境界線の引き方」が極端だということ。その線が厚すぎても、薄すぎても、人は傷つく。では、どうすればいいのか。※本稿は、精神保健福祉士の鴻巣麻里香『自他の境界線を育てる 「私」を守るバウンダリー』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
「見えない皮膚」が
人を守っている
「私は私」の境界線は、目には見えません。目には見えないけれど、皮膚のように確実に私たちを守ってくれています。いわば「心の皮膚」です。
身体の皮膚は、外部の良くない刺激から私たちを守ってくれます。花粉やハウスダスト、さまざまなウィルス、熱やケガの原因となる刺激などです。皮膚がなければ、私たちは良くない刺激を身体の中に無制限に取り込んでしまい、病気になったりケガをしたりします。皮膚の力が弱くなると、湿疹ができたり肌荒れを起こしたり、傷ができて雑菌が入り込んだりしてしまいます。
私と私以外をわける心の境界線は、この皮膚のようなものです。外からの良くない刺激、つまり私にとって害になる言葉や態度から、傷つかないように私自身を守ってくれます。もし心の皮膚、つまり境界線の調子が悪くなれば、周りの言葉や態度、考えや機嫌の影響を受け過ぎてしまいます。その結果心が傷つき、疲れてしまうのです。
またさらに、その機能は守ることだけではありません。私たちは皮膚を通じて、さまざまなことを感じとります。暑さ、寒さ、冷たさ、あたたかさ、硬さ、柔らかさなどです。
心の境界線も同じです。私と私以外とを隔て、わけることで守るだけでなく、境界線(バウンダリー)を接面としてさまざまなことを感じとります。私たちは、それぞれの境界線同士が接することで、お互いについての情報を安全にとりいれ、理解していきます。







