「勉強しているのに結果が出ない」「なかなか英単語を暗記できない」「長文が読めない」――英語学習において、こうした悩みを抱える人は少なくありません。しかし、それは特別な才能がないからではなく、正しい順番とやり方を知らないだけです。“受かるための戦略”を正しく理解すれば、どんな逆境からでも英語力は飛躍的に伸びていきます。
話題の書『9割受かる英語勉強法』の著者、松原一樹さんに今回は、「やる気ゼロを1にするための方法」について教えてもらいました。
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やる気が出ないときは、目標を再設定する
やる気ゼロの受験生に対して僕が最初にするのは、目標の再設定です。
【最初の目標が低すぎる場合】
松原一樹(以下、松原)「志望校はどこ?」
受験生 「偏差値50の『A大学』です」
松原 「もし自分の学力が無限に高くて、『どの大学でも行ける』と言われたら、どこに行きたい?」
受験生 「どこにでも行けるのなら、偏差値60の『B大学』に行きたいです」
松原 「だったら、どうして最初から『B大学』と言わなかったの?」
受験生 「B大学に行けたらいいなと思いますけど、自分の学力を考えたらA大学かな、と思って」
松原 「本当に行きたいのは、B大学なんだよね。こうこう、こういう勉強をすれば、B大学も十分目指せると思うよ」
受験生 「本当ですか? わかりました! 志望校はB大学にします」→この時点で、ゼロが「1」になる。
目標を高くすることに二の足を踏む学生に対しては、おもに2つのアプローチで動機づけしています。
1 「合格できる論理的な説明」と「根拠」を提示する
「努力は裏切らない」といった精神論に終始せず、具体的な勉強法を交えながら、「なぜ、合格できるのか」を説明。客観的な裏付けを提示します。
2 ロールモデル(モデルケース)を見つける
書籍、YouTube、SNS上には、大学受験・資格試験に関するさまざまな成功体験が公開されています。
「自分の境遇に近い人」「自分が目指す結果をすでに出している人」の体験談を目にすると、「自分にもできるかもしれない」というやる気の火種が生まれます。
【最初の目標が高すぎる場合】
松原 「志望校はどこ?」
受験生「偏差値70の『C大学』です」
松原 「今の実力と受験までの時間を考えると、『C大学』は高すぎる目標かもしれないね。やる気が出ない原因は、目標が高すぎたからだと思う。目標が高すぎると、『未来は実現できる』という実感が持てなくなるよ。
キミは、『どうせ受からないのがわかっているから、勉強をするのは意味がない』と思っていたんじゃないかな。もう少しレベルを落とせば、やる気も、実感も持てるようになるはずだよ」
受験生 「では、どこを志望校にすればいいでしょうか」
松原 「偏差値60の『B大学』なら、合格できると思う」
受験生 「わかりました! 志望校はB大学にします」→この時点で、ゼロが「1」になる。
レベルを落とすこと(偏差値の低い大学を目標にすること)に難色を示す受験生には、
「僕のメソッドでは、C大学の合格は難しい」
「キミが悪いわけではない。僕の力量不足だ」
と正直に告げるようにしています。
僕は、彼をC大学に合格させる「具体的な方法」を持ち合わせていないため、指導を引き受けてしまうと、かえってやる気を失わせる結果になります。
教育者として、「努力すれば、どんな夢でも絶対に実現する」と無責任に口にすることはできません。目標を共有できない場合は、他の予備校や塾に移っていただくこともあります。
まずはやる気を「1」にして、成長に応じて目標を修正する
僕の成績は、高校入学当初、学年最下位でした。入学後に行われた全国模擬試験の偏差値は、「29」です。それでも僕は、大学に行きたかった。
高校1年のとき、僕の第一志望は、青山学院大学理工学部でした。偏差値は、55から60前後。「3年間、ガムシャラに勉強をすれば、合格できるはず」という根拠のない自信と、「青学」のおしゃれなイメージが僕のやる気を「ゼロ」から「1」にしてくれました。
その後、やる気を1から100(MAX)の状態まで高め、グイグイと勉強を押し進めた結果、全国模試でも上位に名を連ねるようになり、目標を上方修正。青山学院大学理工学部から、早稲田大学人間科学部(偏差値65)に変更したのです。
やる気を「ゼロ」から「1」にするステップでは、「頑張れば手が届くレベル」(合格を実感できるレベル)に目標を置きます。
その後、成長度合いに応じて、適宜、目標を上方修正します。「最初の目標を低めに設定し、勉強の成果を見ながら上げていく」という考え方もあります。その場合も、最初の目標が低すぎるとやる気を失うので、ある程度のレベルに置いたほうが得策です。



