それは、資産規模が大きくなればなるほど、「こだわりの強さ」と「自分の時間への投資意識」が顕著に高まるという点です。
富裕層と超富裕層を比較した場合、その差は数値として明確に表れており、超富裕層は商品やサービスの選択において「価格」よりも「自分にとっての意味・価値」を重視する傾向が、一般層や富裕層と比べて際立って高いことが示されています。つまり、超富裕層は、「何にお金を使うか」の優先順位が、富裕層とは根本的に異なるのです。
「静寂」と「プライバシー」に
価値を見いだす超富裕層
私がお仕えしてきた超富裕層の方々に長期休暇の予定を伺うと、ほぼ例外なく「どこにも行かない」か「ひっそりとした場所に行く」という答えが返ってきました。
富裕層の方々は「良いものを体験したい」という欲求を持っています。高級ホテルに泊まり、ミシュランレストランで食事をする。これは豊かな消費行動です。
しかし、超富裕層にとって、有名リゾートの繁忙期という状況そのものが、すでに「価値のないもの」になってしまっているのです。
ここ数年、富裕層の消費は「モノ」から「体験(コト)」へとシフトしているといわれています。国内外の複数のコンサルティングファームや調査機関が発表するレポートでも、高額消費者ほどエンタメ・旅行・趣味といった「体験」への支出比率が一般層と比べて突出して高いことが、繰り返し示されています。「モノより体験」という傾向は、今や調査データが一致して指摘するところです。
しかし、これはあくまでも「富裕層」のトレンドです。超富裕層の次元になると、「体験」さえも超えた価値観が存在します。それが「静寂」と「プライバシー」です。
超富裕層の休暇の過ごし方
キーワードは“Quiet Luxury”
私が長年お仕えしてきた超富裕層の方々に共通して感じることがあります。
彼らにとってバケーションの意義は、「日常の喧騒から完全に離れることにある」ということです。
心を落ち着けて物思いにふける場所、ただ「感じる」ことができる場所――そんな本当の静けさを求める方が、圧倒的に多かったのです。







