シマケンにモデルはいるのか
こうして見ていくと、朝ドラというと、女性の自己実現のドラマというイメージもあるが、性別に関係なく働く者の物語なのだ。
「正直にぶつかれ、ウソも誤魔化(ごまか)しもなく、正直にぶつかって一生懸命働け」
これは『ブギウギ』(23年度後期)のセリフのひとつである。主人公でスター歌手のスズ子(趣里)に新たについた若いマネージャー・柴本タケシ(三浦獠太)は、大学を出たものの、何がしたいのかまだ見つからず、仕事中に居眠りしたり、寝坊して遅刻したりと仕事に身が入らず惑っているとき、高齢の働き者の家政婦・大野(木野花)がこう励ました。
シマケンや多江にも、りんにも直美にも、「正直にぶつかれ、ウソも誤魔化しもなく、正直にぶつかって一生懸命働け」というセリフを聞かせてあげたい。
何者でもないと謙遜するシマケンであるが、文字に詳しい知識を生かして人の役に立ち、子どもにも好かれている。それで十分ではないだろうか。
主人公のりんと直美は、看護師になると事前にアナウンスされているので安心して見ていられるが、ほかの登場人物たちの行く末はわからない。だから彼ら彼女らの今後がとても気になる。シマケンも多江も、自信を持てる何者になれるのか。
ちなみに、りんと直美にはモデルがいるが、シマケンにはいるのだろうか。ネットではこの人ではないかという人物が挙がっている。だが明確にモデルと言えそうな根拠はやや薄い。
明治の文豪には新聞社の在籍経験がある者もいて、東京日日新聞(現・毎日新聞)の福地源一郎や、読売新聞の坪内逍遥、尾崎紅葉、幸田露伴などがいる。活字拾いから作家になった例はどうだろう。山岡荘八(ドラマの時代ではまだ生まれていない)やマーク・トウェインなどがいる。作家ではないがベンジャミン・フランクリンも。活字拾いから出世した人がいる。シマケンもがんばれ。









