京都の人気鍼灸師で、SNSでも人気の「すきさん」(本名:鋤柄誉啓 すきから・たかあき)が書いた『メンタル養生』が発売中だ。本書はお疲れ気味の人が、心身ともにラクになれる考え方とコツを紹介しており、「疲れていても気楽に読める」「現代人必携のセルフケアバイブルだと思う」など、多くの口コミが寄せられている。
同書の刊行に寄せて、ライターの小川晶子さんに寄稿いただいた。(ダイヤモンド社書籍編集局)

大人になると、寝ても、休んでも「疲れ」が取れない。その納得の理由とは?Photo: Adobe Stock

朝から疲れている

 朝、別室に置いてあるスマホのアラームに驚いたように起きあがり、止めに行ってからつい声が出る。
「ああ~。イテテテ」

 首や肩が痛いのか、
 頭や目の奥がズシンと痛むのか、
 体全体が重たい感じがするのか……、
 とにかくどこかしらの不調を察知して「ウウ~」と唸ることから一日が始まる。

 もっとシャキーン! と目が覚めてキラキラ、ウキウキと活動を始めたいのだが、体がついてこない。
 認めたくないけれど、「朝から疲れている」と言っても過言ではない。
 若い頃は前日に夜更かしをしていても元気に動けたのに

大人の疲れが取れない理由

 大人になると「なかなか疲れが抜けない」という人は多い。
 睡眠が足りないのではないかと、休日に多めに寝てもスッキリしない。
 なぜだろうか?

 東洋医学的な養生のコツが書かれた『メンタル養生』には、大人の疲れが抜けないのは「自然のリズムに関係している」とある。どれだけ都会に暮らしていようとも、私たちは必ず「自然のリズム」の影響を受けて生きているらしい。

 朝、太陽が昇り、昼にもっとも高くなり、夕方には沈んで、暗い夜になる。
 私たちの心と体は基本的にこの流れに対応しています。
 この流れからズレて生きることも可能ですが(例…夜勤など)、ベースとなるリズムがないと「気」が乱れやすくなります

――『メンタル養生』P.144

 東洋医学では、活発に動かす方向に働く気を「陽気」、静かに落ち着かせる方向に働く気を「陰気」と呼ぶが、この2つの気を一日のリズムと一日の流れに合わせて整えることが大切なのだという。

「陽気」を 使いすぎると疲れがとれない

 大人が朝から疲れているのは、「陽気」を使いすぎているからだ。
 本書にはこうある。

 忙しい現代人は多くの場合、夕方以降になっても頭や体を動かし続けてしまい、休む方向(陰気)に切り替える時間がありません

 これは「陽気」が多い状態で、体を休ませられなくなります。

――『メンタル養生』P.151

 本当は、動くための「気」と休ませるための「気」は同じくらいのボリュームであることが必要なのだ。ところが、遅くまで頑張って活動をしていると「陽気」が多くなりすぎ、寝る頃になっても気が鎮まらない。しっかり休むことができず、「気」が乱れて疲れが取れないループに入ってしまうわけだ。

「休むことも必要」とは思っても、自然のリズムに合わせることを忘れている人は多いのではないだろうか。

 ただ寝る、リフレッシュのための活動をするというだけではなく、「気を巡らせる」イメージを持つと良さそうだ。

 夕方からだんだん休むほうにシフトして、夜は落ち着いて過ごす。なるべく自然のリズムに合わせていれば、気分よく朝を迎えられる日が増えるだろう。

 私も夜には頑張りすぎないようにし、良いリズムを作っていこうと思う。
 大人には大人の養生の仕方があることを気づかせてくれる1冊だ。