旅行業界の慣習を一切無視した仕組みづくり

 しかし、とりわけ開業当初はまだオフィシャルホテルが開業していなかったので、なんといっても重視したのはプライマリーマーケットでした。1000万人を達成するには、東北・北陸・東海地方あたりからいかにして集客するか、ということが絶対条件になったのです。

 となれば、必要なのが、バスツアー会社との連携でした。当時すでに東海地方のバス会社には、日帰りの東京ツアー商品がありました。ここに東京ディズニーランドツアーを加えてもらうべく、動き出す必要があったのです。

 私は、東京ディズニーランドに入場者を送り込んでもらうべく、旅行会社も担当することになりました。とはいえ、入社2年目のまさしくペーペーです。旅行業界についての商慣習や常識もほとんど知らない。

 そんな私に、上司は旅行会社の担当を命じたのでした。そして結果的に、旅行業界にはまったくの素人ばかりの社内チームで、商慣習を一切無視したプランを作り上げることになったのでした(実は日本でツアー商品を作ってもらうときには、業界のさまざまな暗黙の了解を守らなければならなかったということを知ったのは、プランを作った後だったのです)。

 まず、旅行会社が東京ディズニーランドへのツアーを組んで売ってくれることに対してのコミッション(手数料)については理解できたのですが、あれやこれやとよくわからない約束ごとがたくさん付けられていました。また、大きな旅行会社が小さな旅行会社にツアー商品を卸していくような仕組みがあることも知りました。

 そこで、「だったら、シンプルなコミッションにして、最初から小さな会社に取り扱ってもらったほうがいいではないか」と、プランを作り始めたのです。