AIに「角が立たないメールを書いて」は典型的なダメ指示(写真はイメージです) Photo:PIXTA
原油高や円安で原材料費が高騰し、長年の取引先に値上げを切り出さなければならない。そんな「胃が痛い」場面が増えていませんか?下手に出れば足元を見られ、強気に出れば取引が破綻しかねない――。気が重いメールの代表格です。水野操氏の新刊『メール、企画書、プレゼン資料―思考を150%言語化するAI文章術』(青春出版社刊)では、AIに任せるべきなのは、まさにこの「人間が書きたくない文章」だといいます。ただし丸投げプロンプトでは絶対にうまくいきません。本書で提唱されているプロンプトの原則、「F.G.S.メソッド」を本書から紹介していきます。
「角が立たないメールを書いて」は典型的なダメ指示
ある部品メーカーの中堅営業課長を想像してみてください。原材料費が30%高騰し、上層部からは「来月から15%値上げを通せ。できなければ取引停止も辞さない」と厳命されている。相手は「コストダウンの鬼」と呼ばれる資材部長です。
胃が痛くなったあなたは、ChatGPTにこう頼みたくなるかもしれません。
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取引先に値上げをお願いする、角が立たないいい感じのメール文面を考えて
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これでもそれらしい文面は返ってきます。しかし、ここには3つの致命的なリスクが潜んでいます。
AIに丸投げが招く3つの致命傷
一つ目は「理由の具体性不足」。AIは「昨今の諸事情により」などの抽象表現を使いがちです。コストに厳しい相手からすれば、「その諸事情とやらを具体的にデータで示せ」と、さらなる追及を招きます。
二つ目は「申し訳なさの過剰演出」。「角が立たないように」と指示すると、AIは過度に下手に出た謝罪ベースの文面をつくります。実際の交渉で初手から謝罪すると、相手につけ込まれ、不利な立場に追い込まれる原因になります。







